非アルコール性脂肪肝炎にビタミンE有効:病理組織学的改善も証明
2010年 04月 29日
pioglitazoneも有効性があるが、ビタミンEの有効性を上回らず、体重増加があり、あくまで二の次の薬だろう・・・
NASH(非アルコール性脂肪肝炎)治療において、ビタミンEにより有意な改善効果を示したという報告
二次アウトカムに大してピオグリタゾンが有意なベネフィットを示した。
Pioglitazone, Vitamin E, or Placebo for Nonalcoholic Steatohepatitis
Nonalcoholic Steatohepatitis Clinical Research Network (NASH CRN)
www.nejm.org April 28, 2010 (10.1056/NEJMoa0907929)
ランダムに247名の成人:糖尿病無しのNASH(非アルコール性脂肪肝炎)を割り付け
・pioglitazone 30mg /d (n=80)
・ビタミン E 800 IU/d (n=84)
・プラセボ (n=83)
96週投与
プライマリアウトカム:NASH組織学的特徴を改善(steatosis, lobular inflammation, hepatocellular ballooningの標準スコア化)
二つのパネル化したプライマリコンポーネントに対して、p<0.025を統計学的有意差とする
ビタミンE治療は、プラセボ比較で、有意にNSAH改善率が高い(43% vs. 19%, P=0.001)
しかし、pioglitazoneではプラセボと改善率の差がない(34% and 19%, ; P=0.04)
血中ALT、AST値はビタミンE、pioglitazoneともプラセボ比較で減少(P<0.001 for both comparisons)
両薬剤ともhepatic steatosis (P=0.005 for vitamin E and P<0.001 for pioglitazone) 、 lobular inflammation (P=0.02 for vitamin E and P=0.004 for pioglitazone)を改善したが、線維化スコアは改善無し(P=0.24 for vitamin E and P=0.12 for pioglitazone)
pioglitazoe被験者ではビタミンEやプラセボ投与群に比べ体重増加をもたらした
副事象率は3群同等
Nonalcoholic Steatohepatitis Clinical Research Network (NASH CRN)
私には非常にショッキングな結果
ビタミンE摂取に宣伝されているようなベネフィットは証明されてないということだけは一貫したものだったから
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では、全面的にこの報告を信頼して、NASHに関して、ビタミンEを用いてよいか?
・組織学的改善、逸脱酵素の改善であって、mortalityなどの重要な臨床的アウトカムを考慮してないこと
批判は・・・これにつきるだろう
抗酸化ビタミンに関する疑念は・・・簡単にはぬぐえない
しかし、今後、NASH症例では、ビタミン E 800 IU/dを考慮せざる得ないだろう・・・高血圧やASO合併例などでは特に・・・
結構、温感、潮紅などの副作用がでて、なかなか使いにくい・・・というのが臨床医の実感ではある
by internalmedicine | 2010-04-29 10:56 | 糖尿病・肥満