マラリアによるARDS:ステロイド治療・免疫療法の可能性

マラリア感染はしばしば、マラリア関連ARDSを伴う。肺水腫や肺出血を特徴とする。だが、MA-ARDSに関してはいまだ理解が十分でなく、治療法が存在していなかった。

・・で、ステロイド治療が効果ある可能性がマウスモデルで報告

実験動物マラリア原虫:Plasmodium berghei


Immunopathology and Dexamethasone Therapy in a New Model for Malaria-associated Acute Respiratory Distress Syndrome
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 181. pp. 957-968, (2010)


C57BL/6 マウスをPlasmodium berghei NK65で感染し、MA-ARDS発症を、体重、組織、BALで評価。肺組織のサイトカイン・ケモカイン発現をRT-PCRで解析、白血球サブクラスをフローサイトメトリー分析で評価

このモデルでは、サイトカインやケモカインの肺での発現は、Plasmodium chabaudi ASによる感染マウスより高値であった。

このモデルでは、いくつかのサイトカインやケモカインは、Plasmodium chabaudi ASによる感染マウス(MA-ARDS原因とならない)より高値増加
CD8+Tリンパ球 除去により、pathogenicを示す
dexamethasoneはMA-ARDSをブロックし、合併症発症後でさえ効果があり、肺の白血球集積減少し、単球/マクロファージ誘引性ケモカインの発現を減少させる

by internalmedicine | 2010-04-30 17:12 | 感染症  

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