COPD急性増悪入院では、抗生剤治療は必要

COPD急性増悪の時抗生剤投与が推奨されている。しかし、この推奨のエビデンスは乏しかった。

COPD急性増悪入院84621名の後顧的コホートで、Rothbergらは、最低2日間抗生剤投与患者(その後の抗生剤投与の有無は問わない)のアウトカムを比較して、抗生剤投与で、その後の人工換気尤度、入院死亡率減少、その後30日間でのCOPD急性増悪再入院の頻度減少と関連が証明された。

Antibiotic Therapy and Treatment Failure in Patients Hospitalized for Acute Exacerbations of Chronic Obstructive Pulmonary Disease

Michael B. Rothberg, MD, MPH; Penelope S. Pekow, PhD; Maureen Lahti, MBBS, MPH; Oren Brody, MD; Daniel J. Skiest, MD; Peter K. Lindenauer, MD, MSc

JAMA. 2010;303(20):2035-2042.

84621名のうち、79%が最低2日連続で抗生剤投与

第2病日後人口呼吸を受けたのは治療患者の方が少なく(1.07%; 95% 信頼区間[CI], 1.06%-1.08% vs 1.80%; 95% CI, 1.78%-1.82%)、院内死亡率が少なく(1.04%; 95% CI, 1.03%-1.05% vs 1.59%; 95% CI, 1.57%-1.61%)、COPD急性増悪再入院が少ない (7.91%; 95% CI, 7.89%-7.94% vs 8.79%; 95% CI, 8.74%-8.83%).

抗生剤処方患者はClostridium difficile再入院率が処方なしより多い (0.19%; 95% CI, 0.187%-0.193%) vs 0.09%; 95% CI, 0.086%-0.094%)

抗生剤治療のpropensityを含む多変量解析後、治療失敗は、抗生剤治療患者では少ない(odds ratio, 0.87; 95% CI, 0.82-0.92)

hospital effectの寄与要素考慮の群別治療アプローチ、階層モデルでも同様な結果がみられた。

治療失敗リスクによる階層化解析によりすべてのサブグループ横断的に同様なベネフィットが認められた



COPD急性増悪は、気道感染増悪が多分に関連していることは自明なのだが、抗生剤投与をどうしようか・・・というのが議論されている。たとえば、プロカルシトニンを指標使用するとか(COPD急性悪化時の procalcitoninガイダンス治療 2007-01-23

by internalmedicine | 2010-05-26 08:53 | 呼吸器系  

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