モーツァルト効果はインチキ!?・・・マスコミ・市井の伝聞によるマッチポンプ

2010年5月27日 07時45分
モーツァルト効果はインチキ!? お膝元ウィーン大学の研究チームが異論を唱える
http://www.excite.co.jp/News/entertainment/20100527/Nmn_catalog_100527039510_1.html

1993年にカリフォルニア大学で心理学者ラウシャーらが行った研究でモーツァルトのクラシック曲を聴くと頭が良くなるとした通称「モーツァルト効果」に異議を唱える研究結果を、モーツァルトの出身地、オーストリアのウィーン大学の心理学部が発表した。



この記事の一次資料にあたる論文 
 ↓
Mozart effect–Shmozart effect: A meta-analysis
Jakob Pietschnig, Martin Voraceka and Anton K. Formanna
Intelligence Volume 38, Issue 3, May-June 2010, Pages 314-323



オーストリアのコンポーザーが信念をもって ”Morzart effect"とよぶ、IQ改善効果、アメリカの心理学者 Frances Rauscherに引き継がれたものとなり、広く、頭をよくする音楽としられるようになった。



Jakob Pietschnigら、University of Viennaの研究者たちが、モーツアルト音楽がIQs改善につながらないことを示した。

最低16年間、3000名に及ぶ39の多国的研究で、あったとしても、メンタルへの影響は少ないことが示された。
ほかの種類のミュージック、バッハやベートーベン、Pearl Jamなどと影響に差がなかった。

科学コミュニティーにおけるskepticismに合致したProf. Rauscherの研究、再現性を認めること困難で、あったため、このskepticismが広まり、NYTimesなどの新聞各紙の見出しが誤解を助長してしまった。
そして、mini industry化され、DVDを赤ちゃんになどといった商売に利用され、市井に定着してしまった。
もともとこの発想は魅力的で、 magic bullet(特効薬)のように多くの人に取り入れられてしまった。


”strong symmetryのある、数学的繰り返し”の音楽をモチーフとして、Sonata for 2 pianos K. 448を1993年のオリジナルな研究では用いていた。
モーツアルトに限らない可能性、たとえば、ポップ、ロックなどでもこの効果の可能性もあるとRauchnerは述べている。

Rauchner自体は、音楽傾聴によるベネフィットを認めているわけで、それを人々は信じるべきと述べている音楽肯定論者なのである


一次資料からかけ離れた、各メディア・市井の伝聞で、持ち上げられ、そして、いんちきと・・・落とされ・・・


賢明さを維持するためには、ますゴミの言う一次資料でなく、真の一次資料を確認する癖をつけよう!

by internalmedicine | 2010-05-27 09:53 | メディア問題  

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