嗅ぎタバコは慢性炎症性疾患には影響を与えないようだ・・・

無煙たばこ「ゼロスタイル・ミント」は、嗅ぎタバコ(moist snuff)の仲間ということはJTも認めている

嗅ぎタバコの様々な疾患への影響に関して関心が行くのは当然だろう。

リウマチ、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)、サルコイドーシス、多発硬化症(MS)といった慢性疾患リスクへの喫煙、moist snuffの影響を調査し、通常のたばことともに関連を調査したところ、既知のたばこの害・影響とともに、嗅ぎタバコはこれらに影響を与えないらしいことがわかった。

Smoking, Use of Moist Snuff, and Risk of Chronic Inflammatory Diseases
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2010; 181: 1217-1222. First published online March 4 2010 as doi:10.1164/rccm.200909-1338OC


喫煙、moist snuffの年齢補正相対リスク
喫煙既往では、リウマチ(RR, 2.1; 95% 信頼区間 [CI], 1.7–2.5)、 CD (RR, 1.5; 95% CI, 1.2–1.8)、 MS (RR, 1.9; 95% CI, 1.4–2.6)、 UC (RR, 1.3; 95% CI, 1.1–1.5, confined to ex-smokers)増加、対して サルコイドーシス減少(RR, 0.5; 95% CI, 0.4–0.5)


moist snuff既往は、RA、UC、CD、サルコイドーシスに相関せず
RA (RR, 1.0; 95% CI, 0.9–1.2)、UC (RR, 1.1; 95% CI, 0.9–1.2)、 CD (RR, 0.9; 95% CI, 0.8–1.1)、サルコイドーシス (RR, 1.1; 95% CI, 0.8–1.5)、 MS (RR, 1.0; 95% CI, 0.8–1.4)



この論文は、発がん物質の影響については語られてないため、安全だと吹聴されては困る。

スモークレスたばこ中の発がん物質:多環芳香族炭化水素類 PAHs  2009-12-03

無煙たばこ「ゼロスタイル・ミント」は無害か? 2010-05-18

by internalmedicine | 2010-06-03 11:41 | 喫煙禁煙  

<< SSRIと白内障リスク 感染性疾患の遺伝子感受性:CI... >>