COPD急性増悪入院の基本的は経口ステロイド

”Oral vs Intravenous Corticosteroids in COPD”で、過剰な表現だが、”IV Steroids May Be Overkill in COPD Patients”と表されてしまう。


経口ステロイド全身投与はCOPD急性増悪患者に推奨されているが、至適投与量期間は不明
8万人弱の後顧的解析により非ICU状況下・全身投与2日間にて Lindenauerらは、低用量経口投与 と高用量静脈投与の比較

Association of Corticosteroid Dose and Route of Administration With Risk of Treatment Failure in Acute Exacerbation of Chronic Obstructive Pulmonary Disease

Peter K. Lindenauer, MD, MSc; Penelope S. Pekow, PhD; Maureen C. Lahti, MBBS, MPH; Yoojin Lee, MS; Evan M. Benjamin, MD; Michael B. Rothberg, MD, MPH

JAMA. 2010;303(23):2359-2367.

【序文】 コルチコステロイド前新投与はCOPD急性増悪入院患者に利益性があるが、しかし、指摘投与量やルートは不明であった。

【目的】 高用量経静脈投与に比較して経口低用量投与患者のアウトカム比較

【Design, Setting, and Patients】 薬物疫学的コホート研究(414 USの病院COPD急性増悪入院患者を含む、2006-2007年の非集中治療受診・入院2日間コルチコステロイド全身投与患者

【主要アウトカム測定】 第2入院日以降の人工呼吸開始、院内死亡、退院後30日以内の急性増悪入院を治療失敗の測定要素
入院期間・入院コスト

【結果】 79 985名の患者のうち、73765(92%)で、ステロイド静脈投与、6220〔8%〕で経口投与

入院期間中死亡:静脈投与群 1.4%(95% 信頼区間[CI], 1.3%-1.5%) vs 経口投与群 1.0% (95% CI, 0.7%-1.2%)

複合アウトカム経験:静脈投与群 10.9% (95% CI, 10.7%-11.1%) vs 経口投与群  10.3% (95% CI, 9.5%-11.0%)

経口治療propensityを含む、多因子補正後、経口投与群の治療リスクは静脈投与群のリスクより悪化は認めない(odds ratio [OR], 0.93; 95% CI, 0.84-1.02)

propensity-matched analysisで、治療失敗リスクは有意に経口投与群で少ない(OR, 0.84; 95% CI, 0.75-0.95)、入院期間やコストも同様である。

instrumental variable approachを組み込むと、経口ステロイド治療の増加は治療失敗リスクの変化と関連しない(経口ステロイド入院使用10%増加毎OR , 1.00; 95% CI, 0.97-1.03)

経口ステロイド開始1356名の全患者は入院後静脈投与に切り替えられていた。

【結論】 COPD急性増悪入院患者におてい、低用量ステロイド経口投与は高用量ステロイド静脈投与にくらべ悪化と関連しない

by internalmedicine | 2010-06-16 08:54 | 呼吸器系  

<< ビタミンBで肺がん防止作用認め... 二次小葉:2004 Fleis... >>