ビタミンBで肺がん防止作用認めたが・・・現実は、そう簡単ではない。
2010年 06月 16日
ビタミンBでは肺がん予防の価値がありそうである。ただ、2つのRCTにて、葉酸は直腸結腸ガンのリスク減少を示せなかった。むしろ腺がんの増加のエビデンスさえ見いだされた。ビタミンBの介入トライアルは今後できそうもない。葉酸サプリメントのタイミングが重要で、直腸結腸ガン予防に関して利益性があるかもしれないが、癌の素地がある場合は、有害である可能性がある。
ビタミンBに関するエビデンスを加えること、肺がん予防という意味では、喫煙者数を減らすことが公衆衛生上大事であり、それから目をそらしてはならない。
European Prospective Investigation into Cancer and Nutritionの解析で、Johanssonらは、血中ビタミンB2、B6、B12、葉酸(B9)濃度、ホモシステイン値、DNA integrityと遺伝子発現に必至な1-carbon pathway の要素を検討し、肺がん発生頻度との関連を検討
喫煙状態を考慮した解析で、筆者らは、血中ビタミンB6とメチオニンは肺がんリスクと逆相関することを認めた。
Serum B Vitamin Levels and Risk of Lung Cancer
JAMA. 2010;303(23):2377-2385.
適切な量は不明であり、大量摂取でどのようになるかは不明であり、カロテンの問題もある。
どのようなサプリメントでもガン予防に成り立つかというとそれは否定的であり、個別にどのようなものが役立つかも不明である。
異常な量を含むサプリメント製品を過剰に信用して、禁煙などの基本的な健康介入を無視するようなことはじつにばかげている・・・
by internalmedicine | 2010-06-16 09:14 | がん