Cochrane review:心発作時:酸素投与で有害性の可能性?
2010年 06月 16日
多くの臨床ガイドラインでは、専門家の意見(expert opinion)として酸素投与を推奨しているが、一部にエビデンス不足であり、有害性も考慮されるという考えもある。
Cabello JB, Burls A, Emparanza JI, Bayliss S, Quinn T. Oxygen therapy for acute myocardial infarction. Cochrane Database of Systematic Reviews 2010, Issue 6. Art. No.: CD007160. DOI: 10.1002/14651858.CD007160.pub2
http://www2.cochrane.org/reviews/en/protocol_7EBB4AE982E26AA20046752D2DEDA08A.html
心臓発作患者のアウトカムを改善することのエビデンスは乏しく、有害性の可能性があるというエビデンスが見いだされた。酸素投与はむしろ有害ですらある可能性がある。
Dr Juan Cabello (Hospital General Universitario de Alicante, Spain)
Prof Tom Quinn (University of Surrey, Guildford, UK)
この2名の3つのランダム化トライアルのの結果のpool化解析
387名の心筋梗塞、14名死亡という状況
酸素投与 vs 空気投与 死亡相対リスク ITTにて 2.88(95% CI, 0.88-9.39)で、心筋梗塞確定では 3.03(95% CI, 0.93-9.83)
有害性示唆される報告だが、死亡数が少なく、検討の余地はある。一致してリスク増加と即断できない信頼区間表示である。
鎮痛剤使用による痛みは、酸素投与で影響を受けない、鎮痛剤投与の相対リスクは (95% CI 0.78-1.20)
参照:http://www.theheart.org/article/1088019.do
by internalmedicine | 2010-06-16 10:57 | 動脈硬化/循環器