不眠症治療薬:デュアルオレキシン受容体拮抗薬MK-4305

Rozeremの日本で発売間近だが、これは、プロラクチン産生増加・テストステロン減少の可能性(性欲減退、妊娠時の問題、生理不純、授乳からの移行)、他、アレルギーの可能性、”abnormal thoughts and behavior”(記憶が残らないまま車を運転したり電話をするなどの異常行動、うつ、自殺念慮、自殺企図、夜驚症、幻覚など)など、私ら一般医家には、やはり様子見の薬剤という気がする(http://bit.ly/9qmQaM


あたらしい不眠症薬、sedative-hypnotic MK-4305 の開発

late-breaking abstract(Hong Sun, PhD, of Merck Research Laboratories in West Point, Penn.)
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/APSS/20635
neuropeptides orexin A と B は、OX1、OX2受容体への結合阻止することで脳の覚醒システムをブロックすることに重要な役割を果たしている。

Orexin A、Bは視床下部で産生され、睡眠覚醒プロセス調整に鍵の役割と成っており、sleep stage 、latency、durationに影響を与える。さらに、ナルコレプシーはorexin mutationと関連することがヒト・動物で明らか。

MK-4305 はこのorexin 1と2 のアンタゴニストで、不眠治療に効果的で、耐用性がよい。
半減期は、8-14時間

2重盲検研究で、睡眠後覚醒は改善して、50mg投与量でプラトーであった。そう睡眠時間は10、50、100 mgいずれでも造果枝、sleep efficacyも同様。徐波睡眠・REM睡眠期間に有意な影響を与えなかった。

Kennedy WP, et al "Dose effects of MK-4305, a dual orexin receptor antagonist for insomnia, in healthy male subjects" APSS 2010; Late-breaking Abstract 4.





W. J. Herring, MD( Merck)らの4週治療による睡眠efficiency改善報告
Herring WJ, et al "Efficacy and tolerability of the dual orexin receptor antagonist MK-4305 in patients with primary insomnia: randomized, controlled, adaptive crossover polysomnography study" APSS 2010; Abstract 591.





臨床試験中の不眠症治療薬MK-4305の第IIb相試験結果を発表-米国睡眠医学合同学会 (APSS)第24回年次総会「SLEEP 2010」でデータを報告-
日本語サイト:http://www.gclew.com/modules/press_release/index.php?page=article&storyid=336

by internalmedicine | 2010-06-16 14:40 | 精神・認知  

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