イギリス:禁煙法制定後、急性心筋梗塞入院確実に減少

イギリスの2007年7月1日のsmoke-free legislataion導入の影響を心筋梗塞入院という項目で検討した報告

2002年7月から2008年9月までの解析で、2-3%ではあるが、急性心筋梗塞による入院数を減らすことができた。直接の医療コストだけでなく、その後のコスト低下にもつながることとなった。

Short term impact of smoke-free legislation in England: retrospective analysis of hospital admissions for myocardial infarction
Michelle Sims, Roy Maxwell, Linda Bauld, Anna Gilmore
BMJ 2010;340:c2161 (Published )
住民サイズの宗教的、季節性傾向、変数補正後、smoke-free legislationにより、小規模だが、有意な心筋梗塞緊急入院数減少の影響が見られた (–2.4%, 95% 信頼区間 –4.06% to –0.66%, P=0.007)

これは、法制化後1年の間に、1200名 (再入院必要を含めば 1600名) iの心筋梗塞緊急受診減少に相当



入院の減少は、60歳以上の男性 (3.1%, P=0.001)、女性で有意(3.8%, P=0.007で、60歳未満では男性では有意 (2.5% P=0.38)だが、女性では有意でない。



この報告は、喫煙が医療コストを引き上げることになるという実証にもなっている。

田舎町の町長たちと話をすると、たばこ税を目当てに禁煙活動に積極的になれないという意見を聞く、インセンティブが働かなければ、禁煙運動も進まない。ここは、喫煙率により、国からの国保負担率を変えるとかやればきっと・・・話は進むだろう。

by internalmedicine | 2010-06-18 09:14 | 喫煙禁煙  

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