特発性肺線維症のApoptosis Paradox:PGE2による肺胞上皮細胞と線維芽細胞のアポトーシスへの異なる影響

上皮細胞アポトーシスの過剰増加と線維芽細胞のアポトーシス抵抗性は、特発性肺線維症の特徴である線維増殖性変化と関連すると考えられてきた。このアポトーシスの偏ったバランスのメカニズムは不明であった。

この、肺胞上皮細胞(AEC)アポトーシスは増加するが、線維芽細胞のアポトーシスは減少するというパラドックスを ”Apoptosis Paradox”と呼ぶ。この奇異な現象は特発性肺線維症の持続的な線維化とつながりが想定される、大事なメカニズム。


そして、”PGE2を除くと、AECのアポトーシスは増加するが 、 線維芽細胞のアポトーシス減少” するという報告

すなわち、PGE2産生能の低下が、AECのFas ligand-induced apoptosisによる感受性増加させ、同じ刺激で、かたや、線維芽細胞のapoptosis抵抗性を促進させるという現象が示された。

Apoptosis Paradox in Idiopathic Pulmonary Fibrosis
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 182. pp. 73-82, (2010)



IPF肺線維芽細胞は、FasL-induced apoptosisを持続的に生じている。

対照肺線維芽細胞のCOX-2抑制はapoptosis-resistant phenotypeで生じている。

PGE2投与により、線維症肺線維芽細胞で、Fasl単独に比べ、Fasl-induced apoptosisが、ほぼ倍加

逆に、原発性線維性肺2型AECsにおいて、PGE2投与により、Fasl-induced apoptosisに対して防御的に働く

ヒト対照、および、より広範な線維性肺線維芽細胞に、PGE2はAktのphosphorylation に抑制的に働く

このprosurvival protein kinaseのregulationiにより、PGE2による重要なメカニズムで、細胞性apoptotic responseをmodulateする。

by internalmedicine | 2010-07-03 08:52 | 呼吸器系  

<< クラミジア肺炎感染は肺がん発が... 高齢者: アクトス vs アバ... >>