ゼチーアは大粒子LDL優位にコレステロールを減らす:故に臨床的効果に結びつかない?

相変わらず、臨床的イベントでなく、検査値に関する知見・・・なんだか見苦しく感じるゼチーア、理論的には効果があるはずなのになぜか重大心血管イベントに対する効果を明示できない薬剤(http://bit.ly/93t2Hv)・・・あわれを感じる薬剤


スタチンに付加的な効果があるかということで、LDLを相加的・相乗的に減少させるか?はたまた、酸化LDLへの付加的効果は?

Effect of Ezetimibe/Atorvastatin Combination on Oxidized Low Density Lipoprotein Cholesterol in Patients With Coronary Artery Disease or Coronary Artery Disease Equivalent
Am J Cardiology Vol. 106, Issue 2, Pages 193-197 (15 July 2010)

酸化LDL(ox-LDL)は標準的脂質パラメータより心血管イベントの優れた予測因子となっている。この研究の目的はezetimibeのox-LDLへの効果
100名の冠動脈疾患・冠動脈疾患同等を有する患者をランダム化して、atorvastatin 40mg/d+ezetimibe 10mg/d vs atorvastatin 40mg/d +プラセボ投与
LDLコレステロール分画、ox-LDLをベースラインと8週後比較

ezetmibe群は総LDL減少、プラセボより大きく減少、これは主に large buoyant LDL減少によるもの (24% vs 10%, p = 0.008)

Ox-LDL 値はプラセボ群で変化無し(50 ± 13 vs 51 ± 13 U/L)
ezetimibe群では減少: 51 ± 13 → 46 ± 10 U/L (p = 0.01 vs baseline and p = 0.02 vs final level in placebo)

ox-LDLの減少程度は、有意に総LDL、buoyant LDLと相関(r = 0.6 and r = 0.5, respectively, p <0.01 for both)
しかし、small dense LDL、high-density lipoprotein、VLDLとは相関せず



ゼチーアは、酸化LDL減少させるが、それは主に総LDL、large buoyant LDL低下によるもの


臨床的イベント効果がなかなか現れないのは、このため?



 
リポ蛋白には亜分画が存在し,一般にLDLは超遠心法によりLDL-I (d = 1.025~1.034),LDL-II (d = 1.034~1.044),LDL-III (d = 1.044~1.063)の 3 分画または,濃度勾配非変性ゲル電気泳動により大粒子LDL優位(パターンA,large buoyant LDL)小粒子LDL優位(パターンB,small dense LDL)の 2 分画に分類する。若年者ではLDL-I,LDL-IIが多く,高齢者や冠動脈疾患患者ではLDL-IIIが増加していることが多い。small dense LDLはLDL-IIIに相当し,通常のLDL粒子に比べLDL受容体に対する親和性が低く,血中での停滞時間が長く,動脈壁のプロテオグリカンへの親和性が高く,小型ゆえ血管壁を透過しやすく,酸化変性を受けやすい特徴をもち,酸化LDLとなり,動脈壁のマクロファージに取り込まれて,コレステロール沈着を起こしやすいことが指摘されている。
http://www.jc-angiology.org/journal/pdf/2006/441.pdf

by internalmedicine | 2010-07-08 09:19 | 動脈硬化/循環器  

<< TASMINH2:遠隔モニタリ... 肥満高血圧:アルドステロンが中... >>