COPD: 1日1回持続型β-2作動薬 indacaterol vs tiotropiumとの比較
2010年 07月 16日
Once-Daily Bronchodilators for Chronic Obstructive Pulmonary Disease: Indacaterol Versus Tiotropium
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2010; 182: 155-162. First published online May 12 2010 as doi:10.1164/rccm.200910-1500OC
中等症・重症COPD患者をランダムに二重盲検的に indacaterol 150 or 300 μg or プラセボ、open label tiotropium 18 μg 26週間で比較
プライマリ有効性アウトカムは12週時点でのFEV1
追加分析(非多変量補正)は、transition dyspnea index (TDI)、 health status (St George's Respiratory Questionnaire [SGRQ])、exacerbations
血中K値、血糖、Qtc間隔測定
総数1683名の患者(年齢 63.3歳;拡張剤投与後FEV1 56%予測値;FEV1/FVC 0.53)を4群にランダム化
12週後のFEV1トラフはプラセボ比較で、indacaterol投与で 180ml、tiotropiumで 140ml増加 (all P < 0.001 vs. placebo)
26週後のindacaterol 150/300 μgは、対プラセボで、TDI増加(1.00/1.18, P < 0.001)、SGRO総スコア減少 (–3.3/–2.4, P < 0.01)
titropium比較で、 TDI 0.87 (P < 0.001) 、SGRO総スコア (–1.0, P = not significant)
副事象イベント頻度、血中K、高血糖、QTc間隔延長はどの治療群も同等
Short-acting β-agonists (SABAs):作用時間 3- ~ 6-時間
long-acting β-agonists (LABAs) :作用時間 12時間を超えるもの
COPD薬物療法の世界では、indacterol(ノバルティス)やcarmoterolという新しい、“超持続型”のβ-刺激剤の取り扱いに関する議論がまっている
SABAはLABAとくらべ、COPDにおいて、症状面で差は無い。
LABAは、ipratropium比較で、肺機能の改善、健康状態、症状減少において有意に勝る。
喘息のLABA単剤投与に関わる安全性懸念に対して、COPDでは安全とされる
COPDのlate-stageに関して新しい気管支拡張剤、indacterolやcarmoterolを含む新しい薬剤が導入されつつある。
大~中サイズの気道における副交感神経活動性は、ムスカリニック受容体に依存し、平滑筋収縮、粘液分泌に関わり、繊毛活動性亢進にも関わる可能性。短期作動ipratropiumはalbuterolと併用もしくは単剤で用いられるが、長期持続性tiotropiumは健康状態、呼吸苦、運動活動性、COPD急性増悪時の過膨張減少効果
テオフィリンは非選択性のphosphodiesterase inhibitorで気管支拡張効果は弱く、呼吸刺激性をもつ。副作用防止のための吸入アプローチやICSとの併用という新しいアプローチがなされている
単剤コントロール不良なCOPD患者では、併用療法が推奨
これには、LABA/ICS 、 LAMA/LABA が含まれる。そして、気管支拡張剤+ICS併用がCOPDマネージメントの中心となりつつある。
Mono- and Combination Therapy of Long-acting Bronchodilators and Inhaled Corticosteroids in Advanced COPD
Jill A. Ohar; James F. Donohue
Posted: 06/14/2010; Semin Respir Crit Care Med. 2010;31(3):321-333.
http://www.medscape.com/viewarticle/723028
by internalmedicine | 2010-07-16 08:46 | 呼吸器系