LOADD研究:薬物治療不十分例に対する強化個別化食事指導の有効性

十分に血糖降下薬物治療していても血糖コントロール不十分例でも、栄養指導介入は、HbA1c、体重減少、ウェスト減少に効果がある。

エディトリアルから抜粋・意訳
1970年代、指導食事処方やアドヒアランスの種類などばらつきがあり、短期間に検討の多くの研究が語られた。新規経口血糖降下剤の出現、スタチンや降圧剤使用の広範化、栄養学的治療より薬物治療に頼る傾向が出てきた。とともに、心血管予防処方増加とともに、血圧減少、総コレステロール、LDLの低下がみられた。
しかしながら、肥満と血糖値は、経年的に、悪化しつつあり、UKPDSでは、経口血糖降下剤の特性にかかわらず、血糖コントロールの悪化がみられ、これは主にライフスタイル変容不十分な人たちの影響と思われた。
新しい薬剤であるDPPIV阻害剤など高価な薬剤はHbA1cを軽度下げるが、焼け石に水だし、SU剤やメトホルミンは体重増加の危険性があり、低血糖エピソードなどのリスクがある。


要するに、食事指導・介入が糖尿病では必須

Nutritional intervention in patients with type 2 diabetes who are hyperglycaemic despite optimised drug treatment—Lifestyle Over and Above Drugs in Diabetes (LOADD) study: randomised controlled trial

Published 20 July 2010, doi:10.1136/bmj.c3337
Cite this as: BMJ 2010;341:c3337

70歳未満の2型糖尿病+薬物治療に関わらずHbA1c 7%超、過体重・肥満と高血圧、脂質異常の3つのつち2つ以上を有する対象者

介入: 強化個別化食事指導( European Association for the Study of Diabetes栄養推奨に基づく)6ヶ月
その後介入・対照群とも、通常ケアサーベイランス継続

プライマリ・アウトカム測定:HbA1
セカンダリ・アウトカム測定:adiposity、血圧、脂質特性

年齢、性、ベースライン測定値補正後、HbA1cの差は、統計学的有意に大きいc(–0.4%, 95% 信頼区間 –0.7% to –0.1%)
同様に、体重減少(–1.3 kg, –2.4 to –0.1 kg; P=0.032)、ウェスト経減少(–0.5, –0.9 to –0.1; P=0.026)も同様

飽和脂肪の減少、タンパク増加が介入群でみられ、栄養摂取で著明な差がみられた。





論文中の栄養指導記載
・タンパク:総エネルギーの10%-20%、総脂肪:30%、飽和脂肪酸:10%未満、LDL増加なら8%未満、多価不飽和脂肪酸:10%未満、炭水化物:45-60%
食物繊維:40 g/d、もしくは 20 g/1000kcal、半分はsolubleであるようにする
過体重肥満の場合、体重5%は少なくとも減少させる

食事量、野菜・果物, 豆類,全粉穀物、魚(特にオイリーなもの)、ナッツ、低脂肪乳製品、適切な脂肪・オイル、肉はできるだけ油分が少ないもの

by internalmedicine | 2010-07-23 14:52 | 糖尿病・肥満  

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