乳がんリスクと遺伝子感受性locus
2010年 07月 28日
”がん遺伝子”がそれだけでがんの発症に関わるような話が、テレビや読売新聞など問題あるメディアで垂れ流している。乳がんはエストロゲン受容体との関わりが早くから判明していて、BRCA変異など・・・めだっているが、この種の報告を直接みると、あくまで、そのリスク関与は絶対的なものではないことがわかる。
”乳がんリスクと遺伝子感受性locus”
Reeves らは、前向きのMillion Women Study にて、乳がんリスクのデータ解析
包括的および腫瘍サブタイプにて、14のSNPsの検討、7つのもっとも強い相関のあるSNPSにもとづく多遺伝子リスクスコアとの関連を報告
多遺伝子リスクスコアは有意に乳がんリスクと相関があり、エストロゲン受容体陽性乳がん予測性が示唆された。
Incidence of Breast Cancer and Its Subtypes in Relation to Individual and Multiple Low-Penetrance Genetic Susceptibility Loci
Gillian K. Reeves, PhD; Ruth C. Travis, DPhil; Jane Green, DPhil; Diana Bull; Sarah Tipper, MSc; Krys Baker; Valerie Beral, MD, FRS; Richard Peto, MSc, FRS; John Bell, DM, FRS; Diana Zelenika, PhD; Mark Lathrop, PhD; for the Million Women Study Collaborators
JAMA. 2010;304(4):426-434. doi:10.1001/jama.2010.1042
7つのSNPs多遺伝子スコア最大5分位vs最小5分位比較で、それぞれ、8.8%と4.4% (4.2%-4.8%)
エストロゲン受容体陽性乳がんでは、これが、 7.4% (6.9%-8.0%)と 3.4% (3.1%-3.8%)
陰性乳がんでは、1.4% (1.2%-1.6%) と 1.0% (0.8%-1.2%)
SNPs数による実質的差違は出現しない。
by internalmedicine | 2010-07-28 08:27 | がん