術後のゲンタマイシン・コラーゲン・スポンジはかえって創部感染を増やす

直腸結腸手術時、止血に加え、感染予防目的の、ゲンタマイシン放出コラーゲンスポンジは感染頻度を減少せず

# スポンジがこのブログの仕組みで変なリンクされるのがいやなので、spongeのままとした。

外科手術閉鎖時fascia上に、ゲンタマイシンコラーゲンスポンジを挿入と、プラセボを比較

Gentamicin–Collagen Sponge for Infection Prophylaxis in Colorectal Surgery
August 4, 2010 (10.1056/NEJMoa1000837)

創部感染: sponge群 90/300 vs 対照 63/302: 30.0% vs 20.9% 差 p=0.01

表層性創部感染: sponge群 20.3% vs 13.6% P=0.03

深在性創部感染: sponge群 8.3% vs 6.0%: 有意差なし

創部感染所見・症状のためのER・外科診療所受診:sponge群 19.7% vs 11.0%( P=0.004)

入院患者ケア必要のための再入院 7.0% vs 4.3%: 有意差なし

副事象頻度有意差なし



肝心のゲンタマイシンは急激に消失して、その後コラーゲンが細菌の培地としての役割を果たし、コラーゲンが局所的に刺激性を生じ、皮膚バリアの損傷をきたすのではないか・・・結果、表層性感染リスクを増加させるのではないかと考察されている。

by internalmedicine | 2010-08-05 09:16 | 感染症  

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