血中脂質に関与する95個の遺伝子座:
2010年 08月 05日
Terpsichore TM, et al
医学: 血中脂質に関与する95個の遺伝子座の生物学的、臨床的および集団的関連
Biological, clinical and population relevance of 95 loci for blood lipids p707
Kiran Musunuru, et al
医学: 1p13コレステロール遺伝子座における非コード変異から、SORT1を介して生じる表現型
From noncoding variant to phenotype via SORT1 at the 1p13 cholesterol locus p714
Medpage(http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Dyslipidemia/21521)を読むと、コモンな多遺伝子疾患における大規模な遺伝子研究の現状とその限界が見えてくる。
・資金がなければ大規模な正統な遺伝子・疾患研究は無理
・その研究もある程度でプラトーを迎える
・プラトーとなっても、疾患・特性変数の説明は一部しかできない
ヨーロッパ民族10万人超の遺伝子解析で、95のコモンな遺伝子変異、59はそれまで知られなかったもので、近傍遺伝子に影響をあたえるもの
遺伝子近傍に集積する遺伝子は脂質レベル調整的に働いていてそれまで知られてなかった。
Natureに2つ関連報告
Sort1と呼ばれる遺伝子の肝臓での発現低下によりLDL-Cの増加がみられる
95 のsingle nucleotide polymorphisms (SNPs)が、肝臓での正常バリエーションや極端な異常値でも影響を与えていることを示した。
非ヨーロッパ3民族でもこの所見はみられ、血中脂質値と冠動脈疾患の新しいいくつかの領域リンクが見いだされた。
マウスでは、3つの疑わしい、新しい遺伝子、GALNT2、 PPP1R3B 、 TTC39B発見、これが脂質異常と関連
最大規模の遺伝子研究により、疾患や特性が明らかになってきた。
研究サイズが大きいほど、発見数は線形に増加する、脂質レベルの影響を与える遺伝子変異は200-400の遺伝子でプラトーに達するだろうと、Kathiresan(Massachusetts General Hospital)は述べている。
反対に、この研究でわかった遺伝子変異でも、1/4しか、脂質異常を説明できない。
by internalmedicine | 2010-08-05 10:07 | 医療一般