大規模米国コホート:ウェスト径と全原因死亡率
2010年 08月 10日
Waist Circumference and All-Cause Mortality in a Large US Cohort
Arch Intern Med. 2010;170(15):1293-1301.
50歳以上の、48500名の男性、56343名の女性( Cancer Prevention Study II Nutrition Cohort)においてウェスト径(WC)と予後の相関
フォローアップ中9315名の男性、5332名の女性の死亡
BIMや他のリスク要素補正後、WC異常高値は、男女において約2倍の死亡率
男性(WC 120cm以上 vs 90cm未満):相対リスク [RR] = 2.02; 95% 信頼区間 [CI], 1.71-2.39
女性(WC 110cm以上 vs 75cm未満) RR = 2.36; 95% CI, 1.98-2.82
WCは、BMI全カテゴリー内において、死亡率と正の相関
男性では、WC 10cm増加毎RRは、正常(BMI 18.5-25未満) 1.16 (95% CI, 1.09-1.23)、過体重(BMI 25-30未満) 1.18 (95% CI, 1.12-1.24)、肥満(BMI 30以上) 1.21 (95% CI, 1.13-1.30)
女性では、それぞれ、 1.25 (95% CI, 1.18-1.32)、 1.15 (95% CI, 1.08-1.22)、 1.13 (95% CI, 1.06-1.20)
内臓肥満の指標としてのウェスト径の重要性を示した報告だが、問題点としてWCが自己報告であること、観察研究デザインであり、共役要素の影響を完全否定できない。そして、白人に偏った報告であり、一般化に問題がある。日本でこのエビデンスをそのまま採用するわけにはいかない。
by internalmedicine | 2010-08-10 11:36 | 糖尿病・肥満