認知症予防: crystallised intelligence、野菜・果物、糖尿病

"crystallized intelligence"でなく、"crystallised intelligence"となっているが、認知症予防としての介入要素として、この訓練が重要なのだろう。そして、野菜・果物摂取は日本人は少ないだけに、糖尿病予防とともに、啓発も必要だろう。

漢字検定とか、川柳などのあそびのどの語彙遊び・・・などは、日本国民の認知症予防になる?

Designing prevention programmes to reduce incidence of dementia: prospective cohort study of modifiable risk factors
Published 5 August 2010, doi:10.1136/bmj.c3885
Cite this as: BMJ 2010;341:c3885


【目的】特異的リスク要素が除外できたら、認知症頻度の比率パーセンテージ減少するか推定

【デザイン】 前向き7年コホート研究.

【セッティング】一般住民、フランス、Montpellier

【被験者】1433名、65歳超の平均年齢72.5(SD 5.1)歳

【主要アウトカム測定】標準化された神経学的検査によるMCI,認知症診断

【結果】 Cox modelを行い認知症寄与修正可能リスク要素を決定

7年間のMCI、認知症発生から、住民寄与区分平均パーセンテージを95%信頼区間で計算

最終モデルとして、 crystallised intelligence (population attributable fraction 18.11%, 95% 信頼区間 10.91% to 25.42%)、うつ (10.31%, 3.66% to 17.17%)、果物野菜摂取(6.46%, 0.15% to 13.06%)、糖尿病(4.88%, 1.87% to 7.98%)、apolipoprotein E ε4 allele (7.11%, 2.44% to 11.98%)


結論に書かれているが、これはあくまで、コホートの結果であり、causal relationshipに関しての完全な情報ではない。・・・冷静な解釈も必要。




"Crystallized intelligence "は、流動的な”fluid intelligence"とともに、intelligenceの構成要素

The efficacy of working memory training in improving crystallized intelligence



心理学の世界では、 ”fluid intelligence”(Gf)と”crystallized intelligence”(Gc)と2つにインテリジェンスを分ける話がある。すなわち、”それまでの知識に関係ない、新しい課題に対する論理的思考能力と問題解決能力”と”それまで獲得したスキル・知識、経験を用いる能力”である。Gc は一般知識の深さ・広さであり、語彙力、言語・数字利用の理由付け能力である。
ただ、この響きのよい言葉は、misleadingにつながっているという批判もあり、さらに、GfとGcの相互関連性もあり、議論のあるところである。
WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale )検査のうち、performance scaleをGfの指標として、語彙スケールをGcの指標として用いることがある。overall IQ scoreは2つのスケールのコンビネーションである

by internalmedicine | 2010-08-13 09:14 | 精神・認知  

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