メキシコ湾原油汚染・健康被害
2010年 08月 17日
Health Effects of the Gulf Oil Spill
Gina M. Solomon, MD, MPH; Sarah Janssen, MD, PhD, MPH
JAMA. Published online August 16, 2010. doi:10.1001/jama.2010.1254
メキシコ湾のオイル漏れ 主成分は脂肪族(aliphatic)、芳香性hydrocarbonで、低分子芳香族、たとえばベンゼン、トルエン、キシレンは 揮発性有機化合物:volatile organic compounds (VOCs)である。数時間以内に揮発する。VOCsは呼吸器刺激性、中枢神経へ機能低下をもたらす。
ベンゼンはヒトで白血病を生じる原因となることが知られ、トルエンは蒸散速度がもっとも緩徐。
高分子化学物質であるナフタレンがより緩徐な消失速度で、ヒトへの発がん可能性として論理的にあり得る物質として National Toxicology Program に名前が挙がっていて、嗅神経芽腫、鼻の腫瘍、肺がんが動物実験で示されている。
オイルは硫化水素を放出し、重金属を微量含み、非揮発性のに多環芳香族炭化水素 (polycyclic aromatic hydrocarbons, PAH)も含み食物連鎖に関与する。
硫化水素は、神経毒性を有し、急性・慢性中枢神経への影響を与える。
PAHsは遺伝子変異原性、発がん性の可能性がある
オイル燃焼による物質は心臓・呼吸器系への影響、胎児生存への影響をもたらす。
類を見ない規模のオイル漏れ・・・180万ガロンを超える規模で、洗浄剤(detergents)、サーファクタントpetroleum distillate、たとえば 2-butoxyethanol、 propylene glycol、 sulfonic acid saltsの呼吸器系への影響も関与する。
・・・続く
by internalmedicine | 2010-08-17 09:09 | 医療一般