喫煙は、呼吸筋障害より先行して、直接、筋肉量減少・機能低下をもたらす

喫煙による筋肉の影響は、呼吸器系障害から筋肉へ影響を与えるより前に、筋肉の蛋白にoxidative damageを与え、 これが筋肉の減少・機能低下をもたらしている。

すなわち、COPDは、”喫煙が原因による、筋肉・呼吸器系を含む全身性疾患”である。

Cigarette Smoke–induced Oxidative Stress
A Role in Chronic Obstructive Pulmonary Disease Skeletal Muscle Dysfunction
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 182. pp. 477-488, (2010)

ENIGMA in COPD Project


解糖系酵素、クレアチニンキナーゼ、炭酸脱水酵素(carbonic anydrase-3)、筋収縮蛋白が有意に喫煙者・COPD患者で、カルボニル化されている。喫煙暴露モルモットでも呼吸筋・四肢筋で確認。


心理的要素がこれに加わると主のだが・・・



細胞や組織で発生する活性酸素種(ROS)は近くに存在するタンパク質を非特異的に酸化します。タンパク質の酸化修飾体として、よく知られているのがカルボニル化タンパク質です。カルボニル化タンパク質はタンパク質中のプロリン、アルギニン、リシン、スレオニンなどのアミノ酸がROSにより酸化修飾を受け、カルボニル誘導体となったタンパク質の総称です。カルボニル誘導体は化学的に安定なため、近年、典型的な酸化ストレスのマーカーとして頻繁に用いられ ています。(解説借用)

by internalmedicine | 2010-08-17 11:08 | 呼吸器系  

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