STAR-heart study:慢性心不全への幹細胞冠動脈内注入

自家骨髄幹細胞を心臓へ注入する方法:intracoronary bone marrow cell (BMC) therapy

ESC発表:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ESCCongress/21935

The acute and long-term effects of intracoronary Stem cell Transplantation in 191 patients with chronic heARt failure: the STAR-heart study
Eur J Heart Fail (2010) 12 (7): 721-729. で発表された内容

ベースライン駆出率→5年後駆出率
幹細胞治療群:29.4 →36.8
対照群:36.1 →32.3


心筋梗塞後から平均8.5年経過した群で、ランダム化されてないが、ベースラインは同様
ただ、駆出率は治療群で29.5%、対照群 36.1%と開いているが、有意差はなかったそうだ。
薬物療法は十分受けていた。

骨髄注入後、腸骨棘からの骨髄採取で、単核球を分離し、ヘパリン化生理食塩水で洗浄
660万の幹細胞を採取し、心筋梗塞関連動脈へ注入
バルーンをふくらませ虚血状態に類似した状況をつくり、細胞のback-flowを予防し、細胞の心筋梗塞エリアでのmigrationをはかったもの
3ヶ月フォローアップにて、有意に左室パフォーマンス、治療群で改善
すなわち、心係数 22%、ピーク酸素摂取 11%、酸素パルス 6.3%(P<0.05)改善
運動耐容能ベースラインから15.4%改善、左室駆出率29.4%から3ヶ月で36%まで改善(P<0.01 for both)
拡張終末期・収縮終末期容積はベースラインからともに減少 (P<0.05 for both)

QOLも改善、平均NYHA分類3.22→2.25と改善(P<0.0167)
対照群は、NYHAは3.06→3.5と悪化

1-5年後治療群のベネフィットは継続
対照群はフォローアップポイントで悪化が見られる

生存率は治療群で改善し、フォローアップ中、治療群 0.75%年間死亡で、対照群は3.68%死亡 (P<0.01)

Strauer B-E "The STAR Heart Study: the acute and long-term effect of intracoronary stem cell transplantation in 191 patients with chronic heart failure" ESC 2010; Abstract 381.




by internalmedicine | 2010-08-30 09:50 | 動脈硬化/循環器  

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