安定アテローム血栓症およびリスク状態:心血管イベント4年間リスク

安定したアテローム血栓症者、あるいはそのリスク状態にある患者の、真の心血管イベントリスクが求められる状況となっている。

アテローム血栓症患者は虚血性イベントのリスク情報要素であるが、アテローム血栓症の特異的所見に依存して、その程度に応じた虚血性イベントの将来リスクを示す。引き起こされる虚血性リスクの主要な決定要素に関して成果唸知識を深めることが極めて有用で、臨床・研究ともに重要。ということと、急性冠症候群、安定アテローム血栓症、糖尿病患者での新薬トライアルのいくつかで、以前考えられていたよりイベント率が低いことが示され、将来リスクがどの程度なのか・・・確認の必要性が出てきた。

Comparative Determinants of 4-Year Cardiovascular Event Rates in Stable Outpatients at Risk of or With Atherothrombosis

Deepak L. Bhatt, MD, MPH; Kim A. Eagle, MD; E. Magnus Ohman, MD; Alan T. Hirsch, MD; Shinya Goto, MD, PhD; Elizabeth M. Mahoney, ScD; Peter W. F. Wilson, MD; Mark J. Alberts, MD; Ralph D’Agostino, PhD; Chiau-Suong Liau, MD, PhD; Jean-Louis Mas, MD; Joachim Röther, MD; Sidney C. Smith Jr, MD; Geneviève Salette, PharmD, MSc; Charles F. Contant, PhD; Joseph M. Massaro, PhD; Ph. Gabriel Steg, MD; for the REACH Registry Investigators

JAMA. Published online August 30, 2010. doi:10.1001/jama.2010.1322


冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患、アテローム血栓症多リスク要因を有する外来患者を global Reduction of Atherothrombosis for Continued Health (REACH) Registry に組み入れ、4年ほどフォローアップ

29ヶ国3647センターからの患者を2003-2004年組み込み、2008年までフォロー
2009年4月データベースを最終的にロック
主要アウトカム測定:心血管死亡、心筋梗塞、卒中

総数45227名のベースラインデータベースをこの4年の解析に含め

フォローアップ期間中、少なくとも1回のイベント経験者は5481名
2315名が心血管死、1228名が心筋梗塞、1898名が卒中、心筋梗塞・卒中同日40名

アテローム血栓症患者(n = 21 890)のうち、虚血性イベント既往患者では、もっとも虚血性イベント率高い(18.3%; 95% 信頼区間 [CI], 17.4%-19.1%)、
安定冠動脈、脳血管、末梢性動脈疾患患者 (n = 15 264) ではリスクは少ない (12.2%; 95% CI, 11.4%-12.9%)





確立したアテローム血栓症のないがリスク要素のある場合 (n = 8073) は、もっともリスクが少ない (9.1%; 95% CI, 8.3%-9.9%) (P < .001 for all comparisons)




加えて、多変量解析モデル化にて、糖尿病の存在 (hazard ratio [HR], 1.44; 95% CI, 1.36-1.53; P < .001)、前年の虚血性イベントr (HR, 1.71; 95% CI, 1.57-1.85; P < .001)、多血管疾患(HR, 1.99; 95% CI, 1.78-2.24; P < .001)はプライマリエンドポイントの有意な高リスクと関連する

by internalmedicine | 2010-08-31 09:06 | 動脈硬化/循環器  

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