BRCA1/2遺伝子変異:予防的乳房切除・卵管卵巣切除術の効果

BRCA1 あるいはBRCA2(BRCA1/2)遺伝子を有する女性は乳がん、卵巣癌のリスク増加があり、予防的乳房切除・卵管卵巣摘除術でリスク減少が期待されている。

この遺伝子変異を呈する人たちへのリスク減少目的乳房切除術は、有意な乳がんリスク減少効果とリスク減少をもたらし、リスク減少目的卵管卵巣摘除術にて、卵巣癌切除減少効果があり、乳がん診断の事前診断の有無にかかわらずその効果があることも明らかになった。

2482名のBRCA1/2遺伝子異常キャリアの前向き多施設コホートで、
Domchek らは、癌リスク・死亡率減少を評価
BRCA1 や BRCA2 mutationを有する患者において、予防的乳房切除は乳がんリスクを減少させ、リスク減少
卵管卵巣摘除術は卵巣癌、初回乳がん診断などを含む多くのベネフィットをもたらす

乳房切除選択247名の女性は乳がんなく、選択しなかった場合1372名のうち98名の乳がん
卵管卵巣摘除術時は、施行しない場合に比べ、卵巣癌リスクが少なくなった(事前乳がんの有無でそれぞれハザード比 0.14 、0.28)

初回乳がん診断リスク減少をもたらす (BRCA1 、BRCA2 mutation キャリアそれぞれのハザード比, 0.63 、 0.36)
卵管卵巣摘除術施行は全原因死亡率、乳がん特異的、卵巣癌特異的死亡率を減少させる

Association of Risk-Reducing Surgery in BRCA1 or BRCA2 Mutation Carriers With Cancer Risk and Mortality

Susan M. Domchek, MD; Tara M. Friebel, MPH; Christian F. Singer, MD, MPH; D. Gareth Evans, MD; Henry T. Lynch, MD; Claudine Isaacs, MD; Judy E. Garber, MD, MPH; Susan L. Neuhausen, PhD; Ellen Matloff, MS; Rosalind Eeles, PhD; Gabriella Pichert, MD; Laura Van t’veer, PhD; Nadine Tung, MD; Jeffrey N. Weitzel, MD; Fergus J. Couch, PhD; Wendy S. Rubinstein, MD, PhD; Patricia A. Ganz, MD; Mary B. Daly, MD, PhD; Olufunmilayo I. Olopade, MD; Gail Tomlinson, MD, PhD; Joellen Schildkraut, PhD; Joanne L. Blum, MD, PhD; Timothy R. Rebbeck, PhD

JAMA. 2010;304(9):967-975. doi:10.1001/jama.2010.1237


卵管卵巣摘除術施行しない女性に比べ
施行例女性は卵巣癌リスク減少
・乳がん既往あり、なしでも減少(6% vs 1%,; ハザード比 [HR], 0.14; 95% 信頼区間 [CI], 0.04-0.59、6% vs 2%; HR, 0.28 [95% CI, 0.12-0.69])
・BRCA1、BRCA2遺伝子変異キャリアにおいて乳がん初期診断リスク低下 (20% vs 14%; HR, 0.63 [95% CI, 0.41-0.96]、23% vs 7%; HR, 0.36 [95% CI, 0.16-0.82]).

リスク減少目的の卵管卵巣摘除術施行しない女性に比べ
施行例では、全原因死亡率 (10% vs 3%; HR, 0.40 [95% CI, 0.26-0.61])、乳がん特異的死亡率(6% vs 2%; HR, 0.44 [95% CI, 0.26-0.76])、卵巣癌特異的死亡率(3% vs 0.4%; HR, 0.21 [95% CI, 0.06-0.80])減少


エディトリアル:Esserman and Kaklamani
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/short/304/9/1011




エキサイトのせいで・・・卵だらけになった・・・アホ運営

by internalmedicine | 2010-09-01 10:01 | がん  

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