珪肺患者の結核菌発症予測:T-Spot.TBがツベルクリン試験より有用
2010年 09月 11日
Chi Chiu Leung, Wing Cheong Yam, Wing Wai Yew, Pak Leung Ho, Cheuk Ming Tam, Wing Sze Law, Ka Fai Au, and Pui Wah Tsui
T-Spot.TB Outperforms Tuberculin Skin Test in Predicting Tuberculosis Disease
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2010; 182: 834-840. First published online May 27 2010 as doi:10.1164/rccm.200912-1875OC
活動性結核・培養・組織確認結核発症はそれぞれ17(5.5%)、14(4.5%)/308名で、年次10万対2247、1851
活動性結核はT-Spot. TB陽性、陰性でそれぞれ、7.4%(15/204)、1.9%(2/104)
T-Spot.TB test陽性では活動性結核発症予測(relative risk, 4.50; 95% confidence interval, 1.03–19.68) と、培養・組織同定結核 (relative risk, 7.80; 95% confidence interval, 1.02–59.63)
一致した結果が、LTBI除外後、寄与因子補正後も見られた。
TST でが活動性結核、培養・組織同定結核の予測有意に示せず、LTBI治療患者除外に関わらず有意でない。
Culture filtrate protein 10 spot countは、有意にその後の結核発症と関連するが、early secretary antigenic target 6 spot countは関連しなかった。
エリスポット:http://www.jata.or.jp/terminology/a_14.html
オックスフォードのユニバーシティーベンチャー会社もT SPOT-TB という同様のテストキットを発売しています。ESAT-6 およびCFP-10 の両特異抗原を利用してリンパ球を刺激し、反応性のインターフェロンγの産生を測定する方法であるという点では同じですが、測定系にenzyme-linked-immunospot、通zELISPOT と呼ばれるアッセイ法を用いており、固相化した抗インターフェロンγ抗体により産生されたインターフェロンγを捉えることから、原理的にはインターフェロンγを産生している一つひとつの細胞を数えることが可能です。文献的に結核感染の診断に関する感度は96%、特異度は100%と報告されています。またインターフェロンγ産生細胞一つひとつを検出することから、エイズ等の免疫不全症患者でも高感度に感染を診断できる可能性が示されています
http://medical.radionikkei.jp/abbott/final/pdf/050325.pdf
by internalmedicine | 2010-09-11 10:35 | 感染症