アルコール依存へのアカンプロセートの効果と問題点
2010年 09月 13日
このグルタミン酸アンタゴニストは、プラセボ比較で飲酒再発リスク減少(相対リスク 0.86, 95% 信頼区間 0.81 - 0.91)
これだけだと、問題行動を含む重度常時飲酒者にも、良さそうだが・・・現実的には、重度なアルコール依存には効果が少ない。そして、全般的にもコンプライアンスがわるく、脱落者も多い。
Acamprosate for alcohol dependent patients
http://www2.cochrane.org/reviews/en/ab004332.html
プラセボ比較で、アカンプロセートは累積禁酒期間をプラセボ比較で11%増加(mean difference 10.94, 95% CI 5.08 - 16.81)
この効果は3-12ヶ月後も持続し9%ほどリスク低下 (relative risk 0.91, 95% CI 0.87- 0.96)
重度飲酒者への有意なリスクインパクトは見られなかった(relative risk 0.99, 95% CI 0.94 - 1.04)
γ-GTP(GGT)値への影響認めず
唯一の副作用として、下痢があり、NNT 9.09程度であった。
コンプライアンスが低く、ドロップアウトが高いことに注意が必要。
心理・社会的介入に追加する形で、この薬剤は初めて効果が現れる
by internalmedicine | 2010-09-13 08:46 | 精神・認知