CRP濃度の民族差:東アジア人はCRP低値 ・・・スタチン戦略に影響与える

動脈硬化に関して、炎症の役割が次第に比重を増してきている。その指標の一つとしてCRPが用いられ、スタチン治療、たとえばrosuvastatinの層別化にCRP 2mg/Lという値も用いられようとしている昨今

人種差があることは予防治療戦略上の問題点となるだろう。

Ancestry as a Determinant of Mean Population C-Reactive Protein Values: Implications for Cardiovascular Risk Prediction
Shah et al. Circ Cardiovasc Genet.2010; 0: CIRCGENETICS.110.957431v1-CIRCGENETICS.110.957431


89研究221287名のシステマティック・レビュー/メタアナリシス検討で、
geometric 平均CRPは、
・アフリカ系アメリカ人 2.6mg/L(95%信頼区間、CI:2.27-2.96)
・ヒスパニック系 2.51mg/L (95%CI:1.18-2.86)
・南アジア  2.34mg/L (95%CI:1.99-2.8)
・白人 2.03mg/L (95%CI:1.77-2.3)
・東アジア 1.01mg/L (95%CI:0.88-1.18)


研究デザインやCRP測定法にて説明不能の差であり、年齢、BMI補正後でも見られた。

60歳児点で、東アジア人の半数未満、ヒスパニック系の2/3は2mg/L値を超えると推定された。

CRP polymorphismのHapMap頻度はCRP濃度と相関することが知られている。
しかし、CHDイベントとは相関しないが、祖先には相関する。

Wandsworth Heart and Stroke Study including Caucasian, South Asian and African and Caribbean descent subjectsからの被験者データから、BMI,収縮期血圧、喫煙はCRPの群間差に寄与するが、CRPの主な差を説明できない。

by internalmedicine | 2010-09-29 08:25 | 動脈硬化/循環器  

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