ロコモと脅すだけなら転倒リスクが増える?:転倒リスク自覚増加ほど転倒増加

オーストラリアの地域サンプル研究

転倒に関して、住民個人の、転倒に対する考えが、その後の本当の転倒リスクに関わるというおもしろい報告。
多くの老人は、転倒リスクに関して、過小評価・過剰評価されている。
リスクに関する自覚と生理学的な機能とのかい離がその後の実際の転倒リスクと関連する。

老人では、客観的生理的リスクと自覚とを把握した上で、テーラー化介入すべき

Determinants of disparities between perceived and physiological risk of falling among elderly people: cohort study
BMJ 2010; 341:c4165 doi: 10.1136/bmj.c4165 (Published 20 August 2010)

多変量ロジスティック回帰分析にて、自覚的・生理的転倒リスクは両者独立して転倒予測因子となり得る。
クラス分け3分析にて、4つの群にサンプルを、vigorous(元気はつらつ群)、 anxious(不安いっぱい群)、 stoic(リスクなんて関係ないという平然とした群)、 aware(リスク自覚群)分け生理的・自覚的転倒リスクの不均等に基づく検討。
自覚的転倒リスクは、vigorous群 (144 (29%)) 、aware群 (202 (40%))では生理学的転倒リスクと一致
anxious群 (54 (11%))では、生理学的転倒リスクは低い。しかし、転倒リスク高自覚者ほど、うつ症状 (P=0.029)、神経症的人格特性 (P=0.010)と関連する。

stoic群 (100 (20%))は生理的リスクを有するが、リスク自覚は少ない、そして、転倒に対して防御的減少であり、生活においてポジティブな局面をもたらす(P=0.001)。そして、身体活動・コミュニティー参加も維持される (P=0.048)




”ロコモ症候群”と脅すだけなら・・・かれらが脅すほど実際の転倒をふやしているだけかもしれない。


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