メタアナリシス: メタボリックシンドローム ± 糖尿病 に関わらず、心血管疾患リスクと関連

改めて思うが、メタボリックシンドロームって、”病気の早期発見・早期治療を目的”・”心疾患、脳血管疾患の発症が重要な危険因子である糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの予備軍”などと書かれ、日本では糖尿病の先行性病態として把握されてる。
ところが、日本外では、糖尿病の合併と独立して評価されているのが普通で、”The authors note that many experts hold the view that the reason metabolic syndrome is associated with an increase in cardiovascular risk is that most patients with the metabolic syndrome also have type 2 diabetes mellitus. ”とtheheartの解説には書かれ、糖尿病合併有無と独立して判定されていることがわかり、決して、糖尿病前状態として把握ではないのである。

メタボリックシンドロームの診断基準どころか、概念さえ、日本のメタボリックシンドロームってのは特殊なのである。

推進した医学専門家がそうおもってたのか、途中から、厚労省の役人がミスリードしていったのか・・・なぞだが、いまでもこの変な概念が、日本のメタボリックシンドロームを混乱に陥れ続けている。

外国の方の話にもどすが・・・

新しいメタアナリシスによれば、メタボリックシンドロームは、心血管アウトカム2倍、全原因死亡率1.5倍に増加させる・・・というSalvatore Mottillo (McGill University, Montreal, QC)の報告

Mottillo S, Filion KB, Genest J, et al. The metabolic syndrome and cardiovascular risk. A systematic review and meta-analysis. J Am Coll Cardiol 2010; 56:1113-1132


2001 National Cholesterol Education Program (NCEP) と
2004 revised National Cholesterol Education Program (rNCEP) 定義のメタボリックシンドローム

87研究、約95万人 (NCEP: 63 研究, 497,651 人; rNCEP: 33研究, 453,432 人)

NCEPとrNCEP定義に関して心血管リスクのバリエーション少ない。

両定義をプール化させたとき、メタボリックシンドロームは心血管疾患リスク増加と関連 (CVD) (relative risk [RR]: 2.35; 95% confidence interval [CI]: 2.02 to 2.73)
同様に、心血管疾患死亡率 (RR: 2.40; 95% CI: 1.87 to 3.08)、全原因死亡率 (RR: 1.58; 95% CI: 1.39 to 1.78)、心筋梗塞 (RR: 1.99; 95% CI: 1.61 to 2.46)、卒中 (RR: 2.27; 95% CI: 1.80 to 2.85)リスク増加と関連

メタボリックシンドローム、糖尿病なしでも、心血管疾患リスク維持されていた。


糖尿病ありなしにかかわらず、メタボリックシンドロームは、心血管リスクと関係ありますという・・・

by internalmedicine | 2010-09-29 16:40 | 動脈硬化/循環器  

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