注意欠陥・多動性障害におけるヒトゲノムコピー数多型

attention-deficit hyperactivity disorder (ADHD) の、copy number variants (CNVs):ヒトゲノムコピー数多型:個人によっては一つの細胞あたりある遺伝子が一個(1コピー)しかなかったり、あるいは3個(3コピー)以上存在するといった遺伝子の数の個人差がある)のゲノムワイド研究


large (500 kbを超える) と rare ( 1% population frequency未満)のヒトゲノムコピー数多型を評価

大多数のADHDの子供はこの変異を有していないが、このcopy number variantsが、より多く、見られることは、この疾患の一部に遺伝的要素があり、この疾患が、単に行動異常疾患というだけでなく、自閉症のような神経発達的異常であることを示唆する。

これは、ADHAと遺伝子関連を直接示した初めての本格的報告という話

Rare chromosomal deletions and duplications in attention-deficit hyperactivity disorder: a genome-wide analysis
The Lancet, Early Online Publication, 30 September 2010
doi:10.1016/S0140-6736(10)61109-9Cite or Link Using DOI


ADHD366名の子供と対照1047名
large、 rare CNVsはADHD、57、対照で78
有意にADHD366名でCNVs高率(0·156 vs 0·075; p=8·9×10−5)

特にintellectual disability でCNVs高率(0·424; p=2·0×10−6)
しかし、disability のないケースでも有意に高率(0·125, p=0·0077)

chromosome 16p13.11 duplicationの過剰は、ADHD群で見られ(p=0·0008 after correction for multiple testing)、この現象はアイスランドのサンプルで再現された (p=0·031)

ADHDコホートのCNVsは有意に、自閉症 (p=0·0095) 、統合失調症(p=0·010)で報告されたlocusに多い部分でもある

by internalmedicine | 2010-09-30 10:59 | 精神・認知  

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