進行期がん患者に対するがん検診
2010年 10月 13日
功利性を重視しない日本人の観点だと、ずいぶん、冷たい話のように思えるが・・・こういう科学的思考で医学は構成されてるんだなぁ・・・と改めて思った。
”検診自体が、金を消費したうえに、検査および検査に付随して有害性を含蓄する・・・そして、被験者に余計な心配をかけさせる”・・・そういう無駄な検診を批判している報告。
Cancer Screening Among Patients With Advanced Cancer
Camelia S. Sima, MD, MS; Katherine S. Panageas, DrPH; Deborah Schrag, MD, MPH
JAMA. 2010;304(14):1584-1591. doi:10.1001/jama.2010.1449
対照群と比較して、進行癌フォロー中の女性において、
・少なくとも1回のマンモグラフィー施行 8.9%(95%信頼区間「CI]、8.6%-9.1%) vs 22.0%(95% CI、21.7%-22.5%)
・パパニコロウ検診 5.8% (95% CI, 5.6%-6.1%) vs 12.5% (95% CI, 12.2%-12.8%)
男性では
・PSAテスト 15.0% (95% CI, 14.7%-15.3%) vs 27.2% (95% CI, 26.8%-27.6%)
対照群比較の進行癌フォロー中全患者では
・下部消化器内視鏡 1.7% (95% CI, 1.6%-1.8%) vs 4.7% (95% CI, 4.6%-4.9%)
検診はスクリーニングを最近行ったひとで多く行われる
・マンモグラフィー16.2% [95% CI, 15.4%-16.9%]
・パパニコロウ検診 14.7% [95% CI, 13.7%-15.6%]
・PSAテスト 23.3% [95% CI, 22.6%-24.0%]
・下部消化管内視鏡 6.1% [95% CI, 5.2%-7.0%]
がん患者のがん検診は、個人の治療経過や予後により、その意義付けは異なるだろう。がん自体がその後のQOLに影響をあたえることがあるため、がん検診の意義も完全には否定できないだろうが・・・日本の場合は、議論さえ行われてないと思われる・・・進行期がん患者の検診の意義
by internalmedicine | 2010-10-13 09:09 | がん