ベルギーの安楽死:連邦委員会報告・施行実態などずさんな面が多い

ベルギー安楽死の状況は、予想より、ずさん・・・そういう感想をもった。

・死亡数の2%に関与している安楽死
・約半数が報告義務を果たしておらず、その認識さえない医療側
・なれきった、いい加減な安楽死施行


Reporting of euthanasia in medical practice in Flanders, Belgium: cross sectional analysis of reported and unreported cases
BMJ 2010; 341:c5174 doi: 10.1136/bmj.c5174 (Published 5 October 2010)
Cite this as: BMJ 2010; 341:c5174


調査回答率58.4% (3623/6202 eligible cases)
2007年のフランダースの安楽死推定総数は1040(95% CI 970 to 1109)
頻度は、全死亡数の1.9% (95% CI 1.6% to 2.3%)と推定

約半数(549/1040 (52.8%, 95% CI 43.9% to 60.5%))は、 ”Federal Control and Evaluation Committee”(連邦コントロール・評価委員会)に報告
安楽死として認識している医師での報告は93.1% (67/72)

安楽死症例数は、生命短縮が著明と認識された時と比較して、1週間未満との認識の時には報告数が少ない (37.3% v 74.1%; P<0.001)

未報告例は一般的に報告ケースより注意が払われてない:安楽死記載要求事項がより欠如(87.7% v 17.6% verbal request only; P<0.001)、緩和ケア現場での医師・ケア施行者へコンサルトされてない (54.6% v 97.5%; 33.0% v 63.9%; P<0.001 for both)、絶命行動はオピオイド、鎮静剤がより多く行われる (92.1% v 4.4%; P<0.001)、薬剤投与は、看護師で行われることが多い (41.3% v 0.0%; P<0.001)




ヨーロッパの制度というと、無批判に、”善”と考える連中は、今でも多く、特に、医療福祉分野では顕著。・・・ 夢見心地のお嬢様たちにとっては、脳内理想郷があれば、それをまねすることだけで幸せが訪れるという・・・青い鳥的発想は根深い。

”安楽死”というのは、かなりシビアな判断が求められ、厳格に、その条件も検討されたものであるべきである。施行者側がいい加減なんてことはありえないはず・・・なのに、実態は・・・悲惨。

by internalmedicine | 2010-10-22 08:33 | 終末期ケア  

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