添付文書なんて当てになるの?・・・ACE阻害剤の咳嗽頻度・中断率:PDR/ラベルと数倍以上異なる
2010年 11月 04日
Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitor Associated Cough: Deceptive Information from the Physicians' Desk Reference
Sripal Bangalore, Sunil Kumar, Franz H. Messerli
American Journal of Medicine pages 1016-1030
125研究、198130名の患者で、エナラプリルによる累積加重咳嗽頻度は11.48% (95% 信頼区間 [CI], 9.54% ~13.41%)
これはPDR/ラベル表示の1.3%より9倍も多い。
累積中断率は、エナラプリルで 2.57% (95% CI, 2.40-2.74)で、PDR/ラベル表示(0.1%)の31倍
咳嗽頻度は2ヶ月まで累積的に増加、これはPDRの数倍弱に相当
この結果は他のACE阻害剤全般で同様。
一方で、ACE阻害剤に関して言えば、ARBはどの治験でもそれを凌駕する報告はほぼ無いし、日本などは高齢者に対する新たな知見も累積してきている。咳嗽がすべて悪いわけではない。
PDR/ラベル表示、日本では添付文書・・・これは製薬メーカーの都合により作られている。
レニベースの添付文書
17. 呼吸器
(0.1~5%未満)
咳嗽、咽(喉)頭炎
18. 呼吸器
(0.1%未満)
喘息、嗄声
・・・嘘ばっか
結論:”添付文書は患者を守るためではなく、製薬会社や行政を守るためにある”
by internalmedicine | 2010-11-04 10:34 | 呼吸器系