エビデンス無き肺がん検診:3分の2のプライマリケア医はガイドラインに反し推奨してしまっている

肺がん検診による肺がん死亡率減少を示す高品質なエビデンスが存在しないし、ガイドライン上も無症状対象者への検診に関して推奨もしてないという、調査・著者らの認識の元、プライマリケア医の認識と実践を調査したもの。
一方で、現実には、US内で肺がん検診が行われ続けている。ガイドラインエビデンスもないのに、検診が現実の世界で、行われている以上、プライマリケア医としては、結果的に、検診推奨の状況に陥っているのではないか著者らは述べている

U.S. primary care physicians' lung cancer screening beliefs and recommendations.

Klabunde CN, Marcus PM, Silvestri GA, Han PK, Richards TB, Yuan G, Marcus SE, Vernon SW.

Am J Prev Med. 2010 Nov;39(5):411-20.
962名のプライマリケア医への調査(絶対的回答率:70.6%、協力率:76.8%)

4分の1が、メジャーガイドラインは肺がん検診を支持するものであると回答。
3分の2が、低放射線量スパイラルCT(LDCT)検診は、現行喫煙者の肺がん死亡減少に、”非常に・やや有効”、LDCTは胸部レントゲン・喀痰細胞診より有効と回答。
喫煙暴露様々な無症状患者を念頭に置くと、プライマリケア医の67%が、どれか一つでもリスクに引っかかる対象者に推奨している。
プライマリケア医の推奨として、多くは胸部レントゲン使用でありとのべ、最大26%までがLDCTと述べている。
補正解析後、プライマリケア医の認識と実践は肺がん検診推奨と強く関連がある。



プライマリケア医の苦渋に満ちた信念と実践の齟齬・・・



日本では、がん関連の学会関係者が、検診を推奨しているようなところがあるからなぁ・・・と、今更ながら、日米の学術研究のギャップと学術関係の権威者の認識の違いに驚かされる文献。

日本では、肺がん検診推奨、まず、先にありきの論調が主

歴史的に、”近藤誠理論”なるものが上滑りしすぎたためか、前立腺癌PSG検診を含めた検診への批判はなかなか世間で受け入れられない。
それどころか、エビデンスを無視した、低脳提唱・推奨のPET検診を主体として”医療ツーリズム”がまるでまともな行為であるかのごとく、マスゴミ手動・アホ行政マンたちにより勧められている・・・エビデンス無き疑似医療行為・詐欺行為は、いつか日本国に賠償をいつか求められることになるかも。

e.g.)NLST:高リスク対象者・低放射線量ヘリカルCTは通常のレントゲンに比べ20%死亡率減少効果 2010-11-05

この報告を最大限尊重したとしても、リスクのない対象者への肺がん検診は正当化できない・・・

by internalmedicine | 2010-11-08 08:31 | がん  

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