高血圧＆閉塞型無呼吸患者に対するCPAP治療では血圧臨床的意義ほど下げない

閉塞型無呼吸患者（OSA）における、全身の高血圧は、心血管疾患の主要原因の一つであり、大規模疫学研究でもOSAは収縮期血圧と心血管疾患合併症と関連することが示されている（Lancet2005;365:1046-53、N Engl J Med2000;342:1378-84、、 JAMA2000;283:1829-36.　Am J Respir Crit Care Med2001;163:685-9.）

しかし、高品質の前向き観察研究は少なく、長軸研究はわずか２つで、そのうち一つに、OSAの新規発症血圧の報告あり、もう一つの報告は確たるものではなかった。ベースとなる肥満のような合併症との関連もあり、故に、純粋な関与部分はまだわかってないと行った方がよいだろう。

一方、CPAP治療はOSAの最善治療としてなされており、もしOSAが高血圧の原因なら血圧低下するだろうという考えが出てくる。ただ、OSAにも多要素が関連し、高血圧にも当然多要素が関連するから層単純ではないだろうが・・・

この報告はOSA患者に対するCPAP治療を前向きRCTで検討したもの

Continuous positive airway pressure as treatment for systemic hypertension in people with obstructive sleep apnoea: randomised controlled trial
BMJ 2010; 341:c5991 doi: 10.1136/bmj.c5991 (Published 24 November 2010)
Cite this as: BMJ 2010; 341:c5991

CPAPで、統計学的に有意な血圧低下をもたらす。ただ、この減少効果は少なく、臨床的効果がみられるだろう、２４時間ABPMで３ｍｍHg程度の減少に至らないもの
故に、臨床的意義は不明
合併症の尤度、高血圧に関して斟酌した上での解釈が必要

Fig 2 Change in 24 hour ambulatory blood pressure monitoring (ABPM) values in each group after 12 weeks of treatment. Daytime blood pressure was measured from 6 am to 10 pm. Night-time blood pressure was measured from 10 pm to 6 am. Change was measured as mean pre-treatment minus mean post-treatment values. Positive values favour CPAP group. Bars represent mean and 95% CI. Results are by intention to treat analysis. *Significant changes over time (P<0.05)

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CPAP治療ですべてが解決するものではない。
OSAの原因としての肥満だけがあったとしても、すでに動脈硬化の最終場面だろうし、ほかの病態、たとえばRASなどの関与が主となっていることも当然考えられる。故に、当初、主犯であっても、後は単なる共犯に格下げしている可能性さえある。
もともと多因子的病態である高血圧と多因子的病態であるOSAの関連は単純ではない。