IUCでの医療関連感染:耐性菌の役割は比較的少なく、緑膿菌は耐性有無にかかわらず重要
2010年 12月 01日
・ ICU入室は院内感染超過死亡リスク増加と関連
・ 耐性は死亡リスク増加と関連するもののさほどの増加ではなく、滞在期間と関連しない
・ 耐性の有無にかかわらず、緑膿菌のインパクトが大きい
A cohort study examining the effect of bacterial infection in intensive care on length of stay and mortality, and the additional effect of common patterns of antimicrobial
Clinical outcomes of health-care-associated infections and antimicrobial resistance in patients admitted to European intensive-care units: a cohort study
The Lancet Infectious Diseases, Early Online Publication, 1 December 2010
doi:10.1016/S1473-3099(10)70258-9Cite or Link Using DOI
119699名の2日から537ICU滞在の症例検討( Jan 1, 2005から Dec 31, 2008)
肺炎超過死亡完全補正モデルは、薬剤感受性黄色ブドウ球菌1·7 (95% CI 1·4—1·9)から薬剤耐性緑膿菌 3·5 (2·9—4·2)
血液感染において、超過リスクは、同様に 2·1 (1·6—2·6) からo 4·0 (2·7—5·8)まで
薬剤耐性関連死亡リスク(例:感染による追加死亡リスク)は、全4種の最近の組み合わせによる肺炎で、 1·2 (1·1—1·4) 、血行感染で 1·2 (0·9—1·5)
黄色ブドウ球菌 (肺炎 1·3 [1·0—1·6]、血行感染 1·6 [1·1—2·3])がもっともリスク高い。
抗生剤耐性は、滞在の長さとにより増加せず
退院、生死、感受性細菌のハザード比は耐性病原菌4種組み合わせ比較において、肺炎で 1·05 (0·97—1·13)、血行感染で 1·02 (0·98—1·17)
緑膿菌は、医療関連感染においてもっとも広汎な影響を与える、なぜなら、薬剤感受性・耐性ともに頻度が多く、病原性が高いから。
興味ある知見だと思うんだけどなぁ・・・緑膿菌膜小胞のムチン誘導活性とその産生制御
↓
緑膿菌のAuto-inducer (3O-C12-HSL) は直接気道上皮細胞からのムチン産生を亢進させており、Quorum sensing機構が緑膿菌性慢性気道感染症において重要な役割を果たしていることが明らかとなった。(http://www.nagasaki-u.ac.jp/zaigaku/ronbun/ronbun0503/igaku0503/i_kou1191ronbun.pdf)
緑膿菌てのは、MRSA以上にやっかい・・・バイオフィルムってやつのせいで
by internalmedicine | 2010-12-01 10:24 | 集中・救急医療