A. fumigatusに対するIgE感作と気道閉塞など気道変化の関連

A. fumigatus はその特異的なIgE感作、好中球気道炎症と関連し、肺機能低下と関連する。
このことは、喘息の気道閉塞固定化と関連する。そして、A. fumigatusのコロナイゼーション、気管支拡張とも関連する。

IgE Sensitization to Aspergillus fumigatus Is Associated with Reduced Lung Function in Asthma
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2010; 182: 1362-1368. First published online July 16 2010 as doi:10.1164/rccm.201001-0087OC



79名の喘息患者(GINA 4、5)を、A. fumigatus感作で3群に分類 
(1) IgE-感作 (即時型皮膚反応 > 3 mm and/or IgE > 0.35 kU/L)
(2) IgG-のみ感作(IgG > 40 mg/L)
(3)非感作

14名の健康対照

A. fumigatus目的の喀痰培養と臨床的評価データを検討

A. fumigatus培養されたのは、IgE感作喘息患者の63% (n = 40)、IgG-のみ感作喘息患者の39% (n = 13)、非感作喘息患者の31% (n = 26) で、健康対照者では7% (n = 14)

喘息患者のうち、非感作に比較して、A. fumigatus感作患者は肺機能が低くn (postbronchodilator FEV1 % predicted, mean [SEM]: 68 [±5]% versus 88 [±5]%; P < 0.05)、気管支拡張が多く (68% versus 35%; P < 0.05)、喀痰好中球が多い (median [interquartile range]: 80.9 [50.1–94.1]% versus 49.5 [21.2–71.4]%; P < 0.01).

多線形回帰モデルにおいて、A. fumigatus-IgE感作・喀痰好中球分類は重要な肺機能の予後因子であり、A. fumigatus培養 (P = 0.046)や好酸球カウント (P = 0.024)でその所見は強化される。




私にとっては非常におもしろい文献なのだが、ブログ読者のほとんどには関心がないだろう・・・(笑)

しかも、ABPAへの病型の推移への関心というより、気管支拡張とアスペルギルスの表層性感染に関してだから・・・マニアック

by internalmedicine | 2010-12-02 09:32 | 呼吸器系  

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