人工呼吸長期化により、横隔膜萎縮とともに、酸化ストレス、・Foxo1転写を通してオートファジーを導く
2010年 12月 02日
autophagy-lysosome pathway (ALP) は、骨格筋のproteolysisと関連するとされるが、人工呼吸中の横隔膜蛋白変性に関する寄与は不明であった。
この報告により、長期CMVにより、横隔膜の廃用を生じ、結果、酸化ストレス、・Foxo1 transcription factor の誘導を通して、ALP活性化を生じることがわかった。
Mechanical Ventilation–induced Diaphragm Disuse in Humans Triggers Autophagy
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 182. pp. 1377-1386, (2010)
フォークヘッド型(forkhead)転写因子・Foxo1は、familyを形成し、その機能は、myogenic growth and differentiationであり、他、PEPCKやglycogen-6-phosphataseの発現増強の役割を果たす。また、FoxO転写因子ファミリーは酸化ストレス下でマンガンスーパーオキシドジスムターゼやカタラーゼをコードする遺伝子の発現を誘導して、これらの酵素が活性酸素消去系で働く。
Autophagic pathway :http://www.abcam.co.jp/index.html?pageconfig=resource&rid=10930#autophagic%20pathway
オートファジーとは、細胞質の大規模なオートファゴソームーリソソーム分解を起す異化作用の過程である。オートファジーは一般的に栄養損失の状態によって活性化されるが、発生、分化、神経変性疾患、感染、癌のような生理学的過程とも関連している。キナーゼ mTOR はオートファジーを引き起こす重要な制御因子であり、Akt や MAPK シグナルにより活性化した mTOR はオートファジーを抑制し、AMPK や p53 シグナルにより負に制御された mTOR はオートファジーを促進する。オートファジーを担う分子機構は、オートファジー関連遺伝子(Atg)産物で構成される・・・(http://www.cstj.co.jp/reference/pathway/Autophagy.php)
by internalmedicine | 2010-12-02 10:21 | 呼吸器系