米国:うつ治療内容・医療費の推移 薬物偏重・心理療法離れが進んでいる・・・
2010年 12月 07日
”うつ治療、即、薬物治療”という視野の狭い認識がアメリカでも広がっているという解説、SSRsなどの薬剤市場が成長し、メディケアの負担も極端に増加。この薬剤重視発想は、米国内では、35-49歳の年齢層、ヒスパニック、教育レベルの少ない人、メディケイド、無職ほど目立つ。
うつ外来治療の率が、1998年には100名あたり2.37から、2007年100名あたり2.88へ増加( [AOR], 1.18; 95% 信頼区間 [CI], 1.03-1.35)
抗うつ薬使用患者比率はさほど変わらず 73.8%(1998)から75.3%(2007)(AOR, 1.14; 95% CI, 0.85-1.51)
心理療法比率は、53.6%(1998)から43.1%(200’)と減少(AOR, 0.71; 95% CI, 0.53-0.95)
うつ治療に対する外来治療の国家的支出は、100.5億ドルから124.5億ドルへ増加 (z = 1.73, P = .08)
薬剤代は45.9億ドルから66.0億ドルへ増加 (z = 2.88, P = .004)
メディケアに関しては5.2億ドルから22.5億ドルへ増加 (z = 5.62, P < .001)
Marcus SC, Olfson M "National trends in the treatment of depression from 1998 to 2007" Arch Gen Psych 2010; 67(12): 1265-1273.
NHKは、日本の精神医療を、薬物療法偏重と批判してたが、心理療法の比率のレベルは違うが、アメリカでも、心理療法離れが進んでいるようだ。
by internalmedicine | 2010-12-07 17:22 | 精神・認知