hot flashの間 血圧低下 : 血管虚脱の状態

flashといっても、Web上のメディアの話ではないので・・・・あしからず

"hot flash"というと、ALC(http://www.alc.co.jp/)では、“体のほてり、体熱感、顔面紅潮、のぼせ、一過性熱感{いっかせい ねつかん}、突発的性衝動”と書いてあります。

話題のアダラートを含むカルシウム拮抗剤の副作用としても知られていたり、
ゲーコクでは更年期障害(climacteria,climacteric)より、この部分症状を多く用いられているようです。
日本ではhot flashは“のぼせ”とか“ほてり”というより更年期障害の方が多いのでしょうか? “血の道症”という漢方的考えのせいでしょうか?田舎では、こどものほてりにのませたりするようです(人ごとでなく、わたしは子供の頃のまされました・・)。

Harrison on lineでは
“病態の詳細はいまだ不明、だが、LH分泌のパルスとの密接な関連があるよう考えられ、GnRHの視床下部での分泌に影響を与える。カテコラミン、プロスタグランジン、エンドルフィン、ニューロテンシン代謝の変化が低エストロージェンと合わさって重要な役割を果たすと考えられている。hot flashと関連した症状は、神経過敏、不安、いらいら感、うつなどを含め、エストロージェン減少故の原因であるかもしれないし無い場合もある”などの記載があります。



さて、この“hot flash”のときの血行動態はどうなっているか・・興味ある報告がありました。臨床上の意味はあまりなさそうだけど・・・


Hot-Flash Hypotension
NEJM Volume 351:1577-1579 October 7, 2004 Number 15
http://content.nejm.org/cgi/content/full/351/15/1577-a

hot flashの間、血圧の減少がみられ、その後心拍増加が見られる。
典型的な急性の低血圧エピソードに応答したbaroreflex responseである


以上は考察であり、立証されたものではないが、閉経期"hot flash"の間に生じる体温変化はbaroreflex関連のものとされいる。血管拡張性薬剤である亜硝酸アミルを吸入させたときのbaroreflexのtoneを検討したところ、閉経後女性の多くが報告した症状は薬物がhot flashを生じさせたという報告であった。この観察は“vasomoter instability”の理解を深めたもので、長年、閉経後症状のhallmarkとして報告されている。
なぜ閉経後の女性がbaroreflex functionの重篤の障害が観察されるのか不思議に思うのは当然だろう。


hot flashはやはり“血管拡張 先にありき”ということになりそうです。



収縮期 ・

拡張期 ^


【こんな感じのグラフ】
(著作権がうるさいので・・あしからず)
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         90秒
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閉経とhot flash症状を混乱すると、血圧の動きを混乱してしまうこととなる

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閉経期では血圧が上がるというのは55歳以降では高血圧は女性の頻度が高く、55歳までは男性の頻度が高い。


閉経後女性の敵意・攻撃性の因子は、高血圧と関連がある。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&dopt=Abstract&list_uids=8872841
J Hum Hypertens. 1996 Sep;10 Suppl 3:S115-21.

肥満との複雑な関係
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=12183846&dopt=Abstract
J Hypertens. 2002 May;20 Suppl 2:S26-8.

by internalmedicine | 2004-10-13 16:10 | 動脈硬化/循環器  

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