老人への帯状疱疹ワクチン;一般住居・慢性疾患状況にかかわらず有効

帯状疱疹ワクチンに関して臨床トライアルで有効性が示されているが、一般医療での状況での患者ベネフィットは示されてない。60歳以上の地域在住、そして、免疫正常者を対象とした後顧的コホート研究(2007年1月1日から2009年12月31日、Kaiser Permanente Southern California health plan)

Tsengらは、帯状疱疹ワクチンと、全世代層別化、慢性疾患患者での帯状疱疹発生頻度低下の関連を示した。

75761名の男女比1:3と、マッチ化した対象非ワクチン接種者227283名比較

Herpes Zoster Vaccine in Older Adults and the Risk of Subsequent Herpes Zoster Disease
JAMA. 2011;305(2):160-166.

帯状疱疹ワクチン接種者は、白人、女性、外来受診回数が多く、慢性疾患が少ないひとが多い。
帯状疱疹数は130415人年あたり828(6.4 per 1000 人年; 95% 信頼区間 [CI], 5.9-6.8)
対して、非ワクチン者は、355659人年あたり4606 (13.0 per 1000 人年; 95% CI, 12.6-13.3)

補正解析にて、ワクチンは帯状疱疹リスク減少と関連 (hazard ratio [HR], 0.45; 95% CI, 0.42-0.48);この減少は全年齢層別化、慢性疾患患者の間でも見いだされる。

帯状疱疹リスクは、急性病的常用無縁な者よりワクチン状況で差が生じ、バイアスでないことが想定される。

眼領帯状疱疹はHR 0.37; 95% CI, 0.23-0.61、入院はHR, 0.35; 95% CI, 0.24-0.51でワクチン接種者に少ない。


後顧的研究だが、特殊状況下でなく、一般地域での研究ということが重要。




弱毒生ワクチンであるZostavaxは、米国CDCでは60歳以上、ヨーロッパEMEAは50歳以上で適応のようであう。

by internalmedicine | 2011-01-12 08:53 | 感染症  

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