ニコチン受容体α7アゴニスト:統合失調症治療に有望?

ニコチンは脳の全般的な受容体である、低親和性、高親和性受容体に作用し、前者はα7サブユニットに働く。統合失調症者では、この数が減少していることが知られている。

Biological Psychiatry1月号の論文で、ニコチン受容体のα7サブユニットが皮質機能を亢進し、統合失調症の認知障害治療に役立つことが示された。
Yale大学とアストラゼネカの関与し、α7アゴニストであるAZD0328の極少量で、空間作業記憶タスクにおけるパフォーマンスの急性・持続的効果がみられた

Immediate and Sustained Improvements in Working Memory After Selective Stimulation of α7 Nicotinic Acetylcholine Receptors
Volume 69, Issue 1, Biological Psychiatry Pages 12-18 (1 January 2011)



話は違うが、統合失調症の禁煙治療というのはかなり難しい。チャンピックスなどのニコチン受容体ターゲット治療、α4β2ニコチン受容体部分的アゴニストが使用されている。
統合失調症において精神科以外の医師が統合失調症治療を行うにはまだ社会全般の知識が足りなすぎるのではないかと思うのだが・・・

by internalmedicine | 2011-01-12 11:02 | 精神・認知  

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