2歳未満中耳炎は治療失敗比率、自覚症状に関して改善効果あり、ただ、おむつかぶれや下痢増加

2歳未満(6ヶ月齢から23ヶ月齢)の急性中耳炎に対するamoxicillin–clavulanate治療10日間、軽度だが、測定しうるベネフィットを有するが、下痢やdiaper-area dermatitis(おむつかぶれ)増加

この報告、アモキシシリン+CVA合剤なら、クラバモックスやオーグメンチンだが、”アモキシシリン 90mg/kg + CVA 6.4mg/kg”なので、クラバモックスと考えていいだろう。

Treatment of Acute Otitis Media in Children under 2 Years of Age
N Engl J Med 2011; 364:105-115 January 13, 2011

介入群では、day2で、初期改善 35%、day 4で 61%、day7で80%
プラセボ群では、28%、54%、74% (P=0.14 for the overall comparison).

症状改善に対し、対応比率は、介入群 20%、 41%、 67% v プラセボ 14%、 36%、53%(P=0.04 for the overall comparison)

7日間の平均症状スコアは、治療群で低い (P=0.02)

治療失敗(耳鏡検査における急性感染所見持続)比率は、day 4 or 5で介入群 4% v 23% (P<0.001)、day 10-12で16% v 51% (P<0.001)


プラセボの一人に乳様突起炎

下痢、おむつかぶれが介入群に多かった。

非感受性肺炎球菌の鼻腔コロナイゼーション率に有意差無し



抗生剤撲滅運動家の人たちにはちょっとこまった論文だろう。彼らは、おむつかぶれ批判を強調することになるだろうし、NEJMの表紙の文面ではそういう要約になっている。

味がよいからという理由で、セフェム系薬剤を垂れ流す治療は感心しないが・・・抗生剤すなわち悪という抗生剤悪原理主義は問題。

by internalmedicine | 2011-01-13 08:45 | 感染症

 

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