軽症・中等症COPD:肺気腫病変の存在・重症度・分布と臨床症状の関係

COPDと肺気腫の違い、医者なら区別がついて当たり前なのだが、時々、患者に対しても、医者に対して話すときも、めんどくさくなって、COPDを肺気腫と同義に使ってしまうことがある。こういうのが日本中でやられて定義が曖昧になってしまうきっかけになるんだろう。

肺気腫はあくまで病理的な所見に基づく診断名であり、COPDは機能的異常に基づく病名

呼吸器学会のお偉いさんの中には、呼吸機能をせずして、COPD診断を認容しようなどという動きもあり、こういう動きが混乱を助長する元となっていると思う。・・・定義を曖昧にして何が診断・治療だ・・・ばっかじゃないのか!ほぼ素人を厚労省のCOPD関連事業に入れ込んでりうのをみてあきれ・・・と、いつも感じる怒りはさておいて・・・


軽症・中等症COPDにおいて均一分布の肺気腫を有する(1.84; 0.76%-4.77%)。肺上部・中枢側により重症の肺気腫病変が存在する。高齢者ほど、男性ほど、低FEV1ほど、TLCが多いほど、CO拡散能が低下するほど肺気腫を伴う。肺気腫分布の違いにより臨床症状や生理的パラメータの違いはでない。

Emphysema Presence, Severity, and Distribution Has Little Impact on the Clinical Presentation of a Cohort of Patients With Mild to Moderate COPD
CHEST January 2011 vol. 139 no. 1 36-42


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by internalmedicine | 2011-01-15 08:30 | 呼吸器系  

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