動脈硬化リスクにCRPは当てにならない、少量アスピリン投与時における他の鎮痛剤投与の影響


動脈硬化関係?の話題は毎日豊富でうらやましい?

10年後どのくらいの確率で、動脈硬化疾患になるか、その確率で治療をどうするか、考えようというのが主流となっております。患者さんへの説明し、その治療をするかどうか、数値上のリスクで説明しやすいのでたすかるのです。
日本用にモディファイしたのを大手製薬会社が配ってますので、それでもよろしいかた・・
10年リスク


☆ このへんの議論はホットなためか、どうも臨床的重要性に関して揺れ動くの
ですが、CRPを予後指標としての有意ではあるが、その寄与度はたいしたことが
なく、今後独立した因子として扱うべきかどうか疑問とのことです。


C-Reactive Protein and Other Circulating Markers of Inflammation in the
Prediction of Coronary Heart Disease
NEJM 350(14)p138
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CRP値の長期安定性は血圧や総コレステロールと同等。リスク要因補正後オッズ
比は3分位の上位と下位で1.45(95%CI 1.25-1.68)であり、他のメタアナリシス
などと同等。
赤沈1.30(95%CI 1.13-1.51)、vWF濃度1.11(0.97-1.27)などはこれに比べると若干弱いが、総コレステロール2.35(2.03-2.74)や喫煙1.87(1.62-2.16)などの方が強いオッズ比持つ(The Reykjavik Study )
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☆ 少量のアスピリン投与が動脈硬化やガン予防などに効果があるという論文が
あり、また否定的見解
引用)もありますが、
アスピリン投与に関して、他の非ステロイド性消炎鎮痛剤を併用する場合どうな
のかという疑問は以前もあったと思うのですが、継続的でなければさほど問題は
ないようです。ただ、条件がありそうで・・・


Do NSAIDs inhibit the cardioprotective effects of ASA?
CMAJ ? March 30, 2004; 170 (7). doi:10.1053/cmaj.1040313.
アスピリン(325mg/日)・ベータカロチンのプラセボ研究の分析研究で
5年フォローアップで、378の心筋梗塞、139がASA群、239がプラセボ群(相
対リスク 0.56)
NSAIDs間欠投与はASA・プラセボ群で影響をあたえず
NSAIDs継続投与(60日/年)は有意にASA投与中の心筋梗塞のリスクを増加させる。
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日本ではアスピリンはバイアスピリン(100mg)か、小児用アスピリン(86mg)と使われてますが、残念ながら86mg~100mgのトライアルが少なく、
Harrisonsonlineには少なくとも160mg連日か325mg隔日ないと血小板トロンボキサン産生や凝集を抑制できないとかかれております。

一次予防では5年間に冠動脈疾患が5%以上生じる可能性のある人はアスピリンを使用すべきという話しがあります。

ところで
ハンガリー・豚ペストの研究者は、2次予防を対象に“26.9%の人がアスピリン抵抗性がある”という報告をしており、デンマークの研究者は、生化学的検討から、心筋梗塞の患者の36%で、その効果を認められなかったなどと報告がされてます。
日本におけるアスピリン抵抗性も4人から5人に1人と推定されておりますが、アスピリン使いますう?

by internalmedicine | 2004-04-01 11:53 | 動脈硬化/循環器  

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