米国内の青少年のメタボリック症候群頻度なんと1割、代謝異常1/3

くどいですが、
・MetSはメタボリックシンドロームで、日本の類似症候群名は代謝症候群
・過体重(overweight)という定義が日本にはなく、いきなり、“肥満”・・・
という違いがあります。


“厚生労働省が発表した「平成11年国民栄養調査」により、肥満の割合が高くり特に30~40歳代の男性で著明、0歳代男性の肥満が急増している”
http://health.nikkei.co.jp/mini/i010903_01.cfm

とのことです。

児童生徒はどうかというと日本ではまだ1-3%程度の“肥満率”で、中国北京なんかの10%を超える勢いの問題に比べれば深刻さは少ないようです。この“肥満”の定義が日本のと異なり、欧米の基準であるとすれば、ことの深刻さがうかがえます。


肥満先進国、米国の状況は、より深刻なようです。

Prevalence of the Metabolic Syndrome in American Adolescents
http://circ.ahajournals.org/cgi/content/full/110/16/2494
Circulation. 2004;110:2494-2497.
ATPIIIで≥3のクライテリアに合致するものと定義
(1)空腹時中性脂肪 ≥1.1 mmol/L (100 mg/dL)
(2) HDL <1.3 mmol/L (50 mg/dL):例外15-19歳男性で<1.2 mmol/L (45 mg/dL)とする
(3)空腹時血糖 ≥6.1 mmol/L (110 mg/dL);
(4)ウェスト径 >年齢・性差の75パーセンタイル
(5)収縮期血圧 >年齢、性、身長に対する90パーセンタイル

1988-1994年の第3回アメリカ国内健康栄養調査、1960年の12歳以上の8時間以上空腹時では2/3が少なくとも一つの代謝異常で、約10名に1名がMetSに合致。
人種・民族分布は成人と同様で、メキシコ系アメリカ人、非ヒスパニック系白人がMetS頻度が非ヒスパニック系黒人に比べ多い。
過体重・肥満の約1/3がMetSであった (31.2% [95% CI 28.3% to 34.1%])
――――――――――――――――――――――――――――――――

私が疑問に思うのは、メタボリックシンドロームはWHOとNCEPあり、前者は高インスリン血症を重視し、NCEPは肥満を重視しているのではないかと思われる概念です。
日本の代謝症候群は何をいいたいのかわかりませんが、NCEPのまねに近いわけですから肥満を主体に考えているのでしょう。むしろ、日本人にはWHOの高インスリン血症を念頭においた基準の方がよかったのではないかと勝手に思っているところです。
さらに疑問点として・・・
体重増加による心血管系リスクが他人種・民族に比べ影響が大きいのでしょうか高いのか、そして、そのエビデンスはあるのか?
“肥満”介入に対する効果(運動・食事)は諸外国より有用性・有効性が高いのでしょうか? 
急激な西洋化のよる食事パターン、身体運動の低下そういうものが世代間のリスク要因に影響を及ぼしているはずですが、それが各種ガイドラインや小児科を含む青少年期からの介入の検討がなされているのか?
など、思う今日この頃


【Reference】
――――――――――――――――――――――――――――――――
Third Report of the Adult Treatment Panel (ATP III)
http://www.nhlbi.nih.gov/guidelines/cholesterol/atp3full.pdf

ATPIII(NCEP)診断基準
――――――――――――――――――
Abdominal Obesity Waist Circumference†
Men >102 cm (>40 in)
Women >88 cm (>35 in)
Triglycerides ≥150 mg/dL
HDL cholesterol
Men <40 mg/dL
Women <50 mg/dL
Blood pressure ≥130/85 mmHg
Fasting glucose ≥110 mg/dL
――――――――――――――――――
:“多くの代謝的なリスク要因が臨床的に認められ、その代謝症候群のほとんどは過体重・肥満であり、臨床研究にて肥満と特徴的な所見の相関が認められる”・・・と項目選択が説明されている。


WHOによるメタボリックシンドローム診断基準
――――――――――――――――――――――――――――――――
高インスリン血症(非糖尿病患者の上位25%)または空腹時血糖110mg/dL以上に加え、以下のうちの2つ以上をもつもの

1.内臓肥満ウエスト/ヒップ比>0.9(男性)、>0.85 (女性)またはBMI30辺上または腹囲94cm以上

2.画質代謝異常中性脂肪150rng/dL以上またはHDLコレステロール35mg/dL未満(男性)、39mg/dL未満(女性)

3.高血圧140/90mmHg以上か降圧剤内服中

4.マイクロアルプミン尿症(尿中アルブミン排泄率20μg/min以上 か 尿中アルブミン/クレアチニン比30mg/g.Cr以上)
――――――――――――――――――――――――――――――――


日本での定義
―――――――――――――――――――
ウエスト周囲径↑
男性 85cm以上
女性 90cm以上

中性脂肪↑150mg/dl以上
HDLコレステロール↓ 40mg/dl未満
血圧↑130/85mmHg 以上
空腹時血糖値↑110mg/dl以上

5項目のうち3項目以上を満たす場合
―――――――――――――――――――

by internalmedicine | 2004-10-20 10:43 | 動脈硬化/循環器  

<< MRIとCTの急性頭蓋内出血同... GINAアップデート >>