COPD:終末期判定ポイント設定は共感得られにくい、急性増悪時入院時が一つのきっかけに

Living and dying with severe chronic obstructive pulmonary disease

Hilary Pinnockらは、COPDの終末期ケアの規定を支える仮説を改めて問うもの

COPD患者の”終末期”判定というのは困難で、COPD患者も、医療者も、どの時点で終末期とするか共感(resonance)が得られにくい判断である。
なら、緩和ケアに早期から組み込むことのほうが合理的であると著者らは主張。

Living and dying with severe chronic obstructive pulmonary disease: multi-perspective longitudinal qualitative study
BMJ 2011; 2011; 342:d142 doi: 10.1136/bmj.d142 (Published 24 January 2011)
Cite this as: BMJ 2011; 2011; 342:d142

【序文】 重度COPD患者の概観を理解するために、疾患進行とともに、インフォーマルなあるいは職業的従事者の、COPD生存、臨死状態にある場合のケアに関する情報提供のために

【デザイン】 4回までの連続定量的インタビューを各患者、特定のケアするひとを18ヶ月に及び行った。インタビューは、記述され、テーマ的に分類かつ、narrativeに解析

【被験者】 21 名の患者, 13名のインフォーマルなケア者(家族、友人、隣人)、18名の患者選択の職業的ケア担当者 (鍵となる医療・社会的ケア担当者)


【セッティング】 Primary and secondary care in Lothian, Tayside, and Forth Valley, Scotland, during 2007-9.

【結果】 11名の患者が研究期間中死亡
最初のデータセットは92名のインタビューからなる (患者およびインフォーマルなケア者23 )
正常生活の突然の中断を余儀なくされた重度症状が記載され、”illness"(病状の悪さ)より、“say of life"(人生の過ごし方)についての状況の暗示的受け入れとしての意味合いが記載されていた。
両親やインフォーマルなケア者は、生きてる間の衰弱的症状を受け入れ、受容している。
長年、患者の状況を知る職業的ケア担当者はと予後不明なのが、終末期疾患マネージメントの認識および管理を不明瞭なものとしている。
包括的に言えば、患者は、自分の病状を”chaos narrative"と語り人生と切り離せない状況であり、それ以外の老人の死に寄与するのと比べ、終末期の始まりが分からず、最終決定に患者自身が寄与できないと述べている。

【結論】この知見は、COPD患者の終末期ケアを下支えする対策に関する現行仮説に挑むもの
緩和ケアへの移行の時点を明らかにするポリシー視点はCOPD患者や医療関係者の共感を得られないし、終末期ケア早期導入を阻害するなら、逆効果を生む可能性がある。
結局は、支持・緩和ケアの注意深い観察により、COPD患者の”人生の旅”における鍵となる、マイルストーン判断の引き金になるべき。特に、急性悪化入院時において。



良い死に方 悪い死に方 ・・・・ 終末期患者からの聞き取り調査 - 2004/05/11

米国:  COPD終末期医療:モルヒネ投与の実態 2009/11/09

ヨーロッパ6カ国の終末期の治療;;;;人工呼吸中断など 2005-03-01

カナダ:高齢者心不全終末期の医療資源使用状況 :日本の終末期医療は癌にばかり偏りすぎ2010-10-12

by internalmedicine | 2011-01-28 11:04 | 呼吸器系  

<< 脂溶性スタチンのインスリン抵抗... アメリカ人が50歳以上なかなか... >>