治療前CRP濃度多寡はスタチン治療の血管系イベントへの効果に影響を与えない
2011年 01月 28日
もともとCRP高値の人にスタチンがより効果があるか、そして、CRP・LDLともに低値の人に有効でないのか?・・・という検討。
C-reactive protein concentration and the vascular benefits of statin therapy: an analysis of 20 536 patients in the Heart Protection Study
The Lancet, Early Online Publication, 28 January 2011
doi:10.1016/S0140-6736(10)62174-5Cite or Link Using DOI
69のUK病院、20536名の40-80歳の高リスク群男女をシンバスタチン 40mg/日ランダム割付
ベースラインで6つの群に割付:<1·25, 1·25—1·99, 2·00—2·99, 3·00—4·99, 5·00—7·99, and ≥8·00 mg/L
プライマリエンドポイントはサブグループ解析で、主要血管イベント(定義:冠動脈疾患死、心筋梗塞、卒中、血管再建)。ITT分析。
シンバスタチン割付gンが心血管イベントに関して、ラナ無割付後、有意に比例的減少;24% (95% CI 19—28) (シンバスタチン:2033 [19·8%] vs プラセボ:2585 [25·2%])
エンドポイントで比例的な減少のエビデンス認めず、構成要素でもベースラインCRP濃度で変動するエビデンス認めず(trend p=0·41)
1.25 mg/L未満のベースラインCRPの登録者でさえ、主要心血管イベント有意に29%減少 (99% CI 12—43, p<0·0001; 239 [14·1%] vs 329 [19·4%]).
低・高ベースラインLDLともに、CRP組み合わせによるサブグループ間で、相対リスク減少に関する有意なheterogeneityを認めず (p=0·72).
特に、低LDL・低CRPで明らかなベネフィットの存在が見られた (27% reduction, 99% CI 11—40, p<0·0001; 295 [15·6%] vs 400 [20·9%])
大規模ランダムトライアルのエビデンスだと、もともとの治療前CRP濃度多寡はスタチン治療の血管系イベントへの効果に影響を与えない。
by internalmedicine | 2011-01-28 14:28 | 動脈硬化/循環器