かかりつけ医うつ病対応力向上研修事業

癌対策の「緩和ケア研修会」は参加して、この種の試みは、開業医にとってもありがたいことだし、真の自己学習になったと思い、前向きに評価したい。相互参加を促す、よく考えられているプログラムという印象をもっている。


で、次に、当地にも、遅ればせながら・・・かかりつけ医うつ病対応力向上研修事業なるものの案内が・・・都市部1箇所で結集は無理と判断したのか・・遠隔ネット画像システムを利用するようだ。内容を見ると、投げっぱなしの講習会のようだ。各地の講習会の様子をネット検索しても、その様式は、緩和ケアのそれほど練られてないし、手法の統一性がないのが気にかかる。うつ診断ツールの統一とか記載されてないのが気になる。
せめて、認知行動療法研修とからめて行ってもらいたいものだ・・・

しかも、これってうつ病から統合失調症を含めた拡大事業にしようとしてるらしい
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb15GS60.nsf/0/a3dbd0da84ef4179492576e0001bab4b/$FILE/20100308_2shiryou5_1.pdf


行政側の狙いを予備学習

厚労省(H21年度分資料)
・かかりつけの医師などの鬱病などの精神疾患の診断技術向上
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/06/dl/s0604-7c_0003.pdf

あくまで診断率向上が目的

うつ病対策診療報酬
・精神科医連携加算
・救命救急入院料加算


事業の成果指標:かかりつけ医うつ病対応力向上研修を終了した医師数
(参考:http://www.pref.fukushima.jp/hyoka/hyouka/21hyouka/juten_pdf/50-2.pdf)


なるほど、それで、遠隔テレビを採用したわけか!

内容はともかく、形だけ、こんだけの開業医に研修させた。私たちはやっていることはやっている・・・後は、現場のせいだって・・・いつもの効果は判定しない予算獲得目的行政の一端を見た。

それにしても、受講予定者をネット公表する意義ってあるのだろうか?受講済みならともかく・・・
http://www.pref.kagoshima.jp/kenko-fukushi/kenko-iryo/utu/jisatutaisaku/kakaritukrutubyoutaiouryokukoujyoukensyuu.html


それと、自殺対策=うつ対策と、視野狭窄している行政に不安を感じる
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2008/html/gaiyou/s3_2_03.html

by internalmedicine | 2011-02-01 10:12 | 精神・認知  

<< Eltrombopag第Ⅲ相治... 末梢動脈疾患:女性の方が急激に... >>