運動による多頻度SNP活性:LIPC、CETPは増強、CETPは減弱

HDLコレステロールと関連するコモンな遺伝子は身体運動により修正しうるという新しい研究結果

LPL(lipoprotein lipase)、LIPC(hepatic lipase)、CETP(cholesteryl ester transfer protein)遺伝子のコモンな変異の影響は運動によりactivity levelの修飾を受ける。
すなわち、運動を積極的にすれば、LIPC遺伝子やCETP遺伝子のコモンSNP genotypeを有する場合、より積極的に増強され、逆に、LPL遺伝子コモンSNP遺伝子では減弱する。特に、LPLのコモンな変異においては、運動量により、心筋梗塞へのインパクト変化する。

しかし、CETPのコモンな変異は、心筋梗塞リスクへ運動量の影響がみられない。


Physical Activity Modifies the Effect of LPL, LIPC and CETP Polymorphisms on HDL-C Levels and the Risk of Myocardial Infarction in Caucasian Women
Published online before print January 20, 2011, doi: 10.1161/​CIRCGENETICS.110.957290

22939名の前向きコホート、健康白人米人女性、9遺伝子、58のSNPs選択。
GWAにて、HDL-Cとの相関 (P<5X10-8)と、運動量にてその影響が出るかどうか検討。

運動は、7つのSNPs(3つのloucs)に影響を与え、特に強いエビデンスが出現したのは、rs10096633 (LPL)、 rs1800588 (LIPC) と rs1532624 (CETP) (each P-interaction <0.05)。
rs1800588(LIPC)、 rs1532624 ( CETP)のper-minor-alleleが運動少ない女性より積極的な運動量の女性で増加している。
一方、 rs10096633 (LPL)は逆相関がみられた。


LPL SNPのMinor-allele carrier statusは、運動積極者の心筋梗塞リスクを減少 (Hazard Ratio [HR] 0.42, 95% 信頼区間 [CI] 0.23-0.76) と関連するが、非運動群ではみられない (HR 1.10, 95% CI 0.83-1.44; P-interaction=0.007)

逆に、CETP SNPのcarrier statusは、運動レベルと関係せず、心筋梗塞リスク減少と関連するl (HR 0.72, 95% CI 0.57-0.92; P-interaction=0.71)

LIPC SNP carrierと心筋梗塞リスクの関連はみられない。

by internalmedicine | 2011-02-02 14:50 | 動脈硬化/循環器  

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